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ミステリ、奇術などを問わず、人類の考え出したトリックを集めた労作。
トリックはどこにでも見いだせる。
料理の盛りつけもトリックだし、スイカにちょっぴりかける塩もトリック。そんな目を持つ著者がトリックを集めると、どうなるのでしょうか?
トリックを分類した章がもっと量的に多ければもっとよかったのになあ。
《別に奇術を演じなくても、部屋にカードがあるだけで、趣味的なゆとりを感じさせるものだ。》(p.101)
(2005年01月31日)
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マジシャン&ミステリー作家の作者がマジックを軸にミステリーを読み解いていく作品。
80年代の本ですがなかなか読みやすく、そして昔から言われてることは変わらないのだな、と再確認しました。
マジックを元にしたトリックを知りたくて読んだのですが、ミステリーのトリックが体系だててまとめられていたのが一番印象に残りました。江戸川乱歩もまとめているらしいので、そちらも読んでみたいところ。
名言の多い本でした。
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では、嘘のない世界は、天国だろうか?
とんでもない。嘘のない世界は、地獄に決まっている。
(『トリックと嘘』より)
ミステリ作家泡坂妻夫のトリックとマジックに関するエッセイ。
正しく美しく騙すことの効能が書いてある。
楽をしたい自分の心を曲げて、勿体ぶらず嫌みなく電車で老人に席を譲る演技力についてや、イマイチの味付けの料理を美味しく思わせる雰囲気作りなど、トリックという眼鏡を通して生活を眺める、氏の独特の視点が面白い。
歌舞伎をはじめとする伝統芸能とトリックの関係や、氏の稚気あふれる日常の話も楽しかった。
最終章のトリックの分類も読み応えがあった。