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ホワイトストーンズ荘の怪事件 みんなのレビュー
- セイヤーズ (ほか著), 宇野 利泰 (訳)
- 税込価格:528円(4pt)
- 出版社:東京創元社
- 発行年月:1985.4
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文庫
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紙の本
連作ミステリセイヤーズとクロフツの共演!
2001/11/17 13:08
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投稿者:キイスミアキ - この投稿者のレビュー一覧を見る
六名の作家による連作ミステリです。
各人が一章ずつを受け持って書かれた六章仕立ての長編で、参加している作家陣は、執筆を担当した順番に、セイヤーズ、クロフツ、ウィリアムズ、ジェス、アームストロング、ヒュームという面々。前の二人以外は、知りません……。
面白いのは、自分の担当した章の各所にちりばめてある有用な情報を、後続のためにまとめたメモ残しており、本となった際には、これらが章の間に載せられていることです。推理小説を書く上で、巨匠たちがどのようにして考えをまとめているのかがわかって、とても面白い。このメモの面白さも、さすがにセイヤーズとクロフツがずば抜けているという印象があるんだから、僕が名前を知っていただけあって、この二人はやっぱり偉大です。
本書で気になるところは、序盤と終結の部分でしょうか。
序盤は、セイヤーズからクロフツへの奇麗な流れがあるし、クロフツだってセイヤーズの残した事件現場の地図を、より精緻なものにしたりしている。ここが間違いなく、もっとも楽しい部分になっています。セイヤーズがまとめたメモは、素晴らしい出来だし、スリーパインなるリアルな設定の毒薬もいい。クロフツの描写にも、心理へのこだわりみたいな独特の色が出ています。
この時点で、面白がった巨匠たちが好き勝手にやっていることはわかるけど、後続の人たちがちょっといただけなかったような印象がどうしてもあるのが、中盤から後半にかけての展開。なんとか無事に終結するまで、言い訳がましくなったような感がぬぐえません。それに、せっかくのタイムテーブルと地図を、大胆不敵にも無視してしまうのは、いかがなものかと。当時、誰も怒らなかったんでしょうか。
とは言え、試行錯誤の過程が六通りも見られたのは、新鮮で楽しい経験です。滅多に味わえないタイプの推理小説だったことは間違いないし、面白い本ですよ。
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