紙の本
三浦綾子さんの作品の中では、キリスト教の話が少なめですが、傑作です
2002/03/07 07:27
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:さなえ - この投稿者のレビュー一覧を見る
北海道の浜別に生まれ育った美しい少女・貴乃と、小学校校長の息子・孝介は、互いに愛し合い結婚の約束をしていた。ところが、貴乃の横恋慕した製材所の息子・完治の恐ろしいたくらみによって、孝介は遠い樺太へと追いやられ、貴乃は完治と結婚させられる。しかし、貴乃の心から孝介のことが消えることはなかった。
一方、孝介のほうも貴乃のことはずっと愛し続けており、ひょんなことから金持ちになった孝介は、貴乃の力になってやりたいとの思いから、完治の妹・あき子をめとる。結婚の動機が動機だけに、あき子のことはかわいいと思いながらも、孝介はあき子に指一本触れることがなかった。
孝介・貴乃ははお互いの本心が分からないまま、更に思いを募らせていく…。
もう、ハラハラドキドキものです。早く先を読みたいがために寝不足にならないよう、要注意です。
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戦前は「南樺太」は日本だったのです。そこには日本人が生活していたのです。本作品は樺太・北海道を舞台にした作品です。
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(「BOOK」データベースより)
神に与えられた自然にふさわしく、人間もまた美しく創られたはずだ。だが、なぜ故なく人は傷つけ合わねばならないのだろう。愛し合いながら、ふとした運命のいたずらから、ついに結ばれることのなかった貴乃と孝介。大正末期から日本の敗戦に至る時代の波にもまれながら、二人がひたすら耐え、生き抜く姿を感動的に描く長編ロマン。
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母親に薦められ読んでみた本。
う〜〜ん、奥が深いです。
こんな人たちがいたら、えらいこっちゃだと思います。
罪を背負う人、その罪を受ける人。人間の在り方をテーマにした物語です。
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北海道、樺太を舞台とした、大正後期から昭和戦中のお話。愛しながらも、運命のいたずらが二人に・・・愛とは?
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誰かが自分勝手なことをすると、一方で誰かがが十字架を背負う。深いテーマだ〜。にしても、やるせない。下巻ではどんな運命が待ちうけているのか。
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高校時代に読んで覚えているのは、三浦綾子『天北原野』。
この本で、エゾカンゾウという花の名前を知った。どんな姿の花か気になったので調べた。当時はインターネットなどなかったし、植物図鑑かなにかで探したのだったかな?
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北海道、樺太の美しい自然の中で、人の愛憎が渦巻く。運命に逆らうことなく耐え忍ぶ姿が切ない。12.5.26
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北海道ハマベツ。部落でも評判の美しく気立てのいい娘貴乃には、結婚を誓った孝介がいた。しかし嫁入り日の直前、恐ろしい事件によって孝介は樺太へと渡り、二人は離れ離れに…。大正末期から太平洋戦争後まで、激動の時代の中で生きた二人の数奇な運命を描く。
二人を引き裂いて愛する貴乃を手に入れ、事業も成功させ、妾まで囲った完治も含めて、一生が幸せだったといえる人物はこの中にいるのだろうか。幸せに生きるって難しい…と思った。
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久々の三浦綾子。やっぱり面白い。惹き込まれて上巻読了、続きが気になる!最後には一緒になって欲しいな。20130910
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いつもながらに北海道という、土地を舞台にした一組の男女の悲しくて切ない、胸えぐられるような二十年の出来事。
結婚するはずだった孝介と貴乃。だが、完治のたくらみによって二人は引き裂かれ、完治と結婚した貴乃や樺太に移り住んだ孝介はただただ苦しみの中で悶え、それでも耐えながら生きていくことになる。
北海道の厳しい自然、戦争の足音、欲に目がくらんで悪を働いてしまう者たち。そんなドラマの中で物語は、すきま風のように純朴な幸せを切り裂いて行く。
そして、一人の人間が犯した罪を、また別の誰かが背負って、苦しむ。その連鎖に、決して終わりはない。なのに、罪を犯した者は、深く考えることもなく笑って人生を謳歌する矛盾。
罪人っていうのは、犯した罪にさえ気づかないものなのかもしれない。
読み終えても、悲しさはなくならなかった。
最初から最後まで、悲しみに覆われたそんな小説。
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とりあえず上巻までのレビュー。
久しぶりに三浦綾子の小説読みましたが。
やっぱり私の中で三浦綾子は別格です。
他の方も書かれてますが、昼ドラばりにドロドロしてます。
しかし古き良きというか何というか。
貴乃と考介のプラトニックな恋が下巻では良い方向に進んでくれたらなぁと期待しながら下巻に入ることにします。
それはさておき。
三浦綾子と言えば。
必ず出てくるのが北海道とキリスト教。
が、本作ではまだキリスト教が出てません。
下巻でいきなり洗礼受けたりするんかな…笑
あと。
ホンマにどうでもいいことなんですが、まさかここでちびまる子ちゃんで得た知識が役立つとは思いませんでした。
(モガ=モダンガール)
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耐えること、許すこと、それがこの本の主題だろう。いや、著者の主題と言うべきか。なんのために耐え、なんのために許すのか、それは、ある時は自分のなすべきことだからであり、ある時は人の幸せを思うからだ。
人間は生まれてきた以上、幸せだけを受けるというわけにはいかない。幸せを受ける以上、不幸せも受けるしか仕方がない。
全三巻
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主人公の2人が不憫でならないと思った上巻。
さすが三浦さんの作品は人生や生きることについて考えさせられます。
不倫のドロドロ感がたまらなかった。
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教師孝介と貴乃と夫、その家族の物語。
風景や人間性の描写のほか、貴乃の家事の丁寧さ、とりわけ料理の丁寧さを見習いたくなる。
お茶ひとつ、焼き魚ひとつ、工夫しだいで美味しくなる。