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第一部は読めば読むほどわけがわからないんだけどずっごいひきこまれてしまいます。
第二部でどんどん話が展開し、最後にはすべてがひとつになります!
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精神科の病院として一、二を争う藤堂病院の副委員長・波島維新は今日もいつものように外来をこなしていた。次々とやってくる患者、そしてよくある妄想のような症状。まさかそれがある一つの事実を導き出しているとは思いもしなかった。
4人の精神的に病んだ患者たちの言い分が、最初こそよくある症状の一つだとあしらわれてしまうのだが、それぞれが実は説明できる現象故のもので、どれもが複雑に絡み合っている。が、ややこしすぎるのと、視点がどんどん変わるためそれぞれの状況を覚えていられなくなり、最後にはついていけなくなってしまった。寝不足が続いているので、読んだ時期が悪かったのかもしれないが・・・。
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難しいよ。精神外科に通う患者たちの症状といくつかの殺人事件。バラバラに起きていた事件が読んでいくうちに一つの事件に見えてくる。ミステリーだが犯人は誰だろうとかのワクワク感は無い。
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・全体としては楽しんで読めました
・最初は何がどうなっているのか、
精神的におかしくなった人の話が続くだけだったのが
最後にまとまるのは面白かった
・最後のつなぎ方、展開が、あれだけ引っ張っておきながら
都合よく情報が出てくるし、今ひとつだった
・渋谷のデパートで、夫に自分の名前で呼び出された妻が
なぜかその夫が別の女性と行ってしまった理由は
ちょっと残念
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序章で、何の関係もなさそうな奇妙な話が5つも紹介され、いきなり虚をつかれる。第一部以降の本章に入ると、藤堂病院という精神病院を中心に話が進められていき、人物が交錯して、話が一つに収束し、驚くような真相が明らかになる。このような不思議な現象をいくつも成立させるためには精神に異常をきたしている人物を何人も登場させざるをえないのであろう、おかしな人物が大勢登場する。時に、どちらの人物がおかしいのか、混乱する。作者らしいトリッキーな作品で、それを成立させるために、無理に無理を重ねている印象がある。たとえば、交差点で高橋に包丁を握らせるのは難しく、犯人はそういう無理な計画を考えないだろう。視点が次々と変わってややこしく、私のような理解力に乏しい読者には、一読では全容が理解しにくい複雑な作品だ。
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ミステリー小説というのは、ある意味、読者に謎を解かせてあげることで、自分は頭がいいと読者の虚栄心を満たしてやるためのものみたいなところがあるように思う(笑)
ミステリー小説の魅力は、もちろんそれだけではない。
謎の奇抜さとか、最後にピースのひと欠片がはまった時に現れる全体の構図が現れた時の驚き。あるいは探偵役の魅力、たんに物語としての面白さなどミステリー小説には様々な魅力がある。
ただ、ミステリー小説というのものが商品である以上、(特にインテリジェンスにこそ価値がある今のような時代においては)読者のその手の虚栄心を満たしてあげることが本の商品価値としてとっても大事なことであるのも確かだろう。
連城三紀彦というと『戻り川心中』!、だが。
実は、自分はこっちが読みたかったののに廃刊だったので、先に『戻り川心中』を読んでファンになっちゃったタイプ。
そんなわけで、やっと古本を手に入れて読み始めたまではよかったんだけど……
なにこれ?読みにく~い!w
冒頭、短い場面転換がやたら頻繁で、話に入っていけないのだ。
ずっと読みたかった本だというのに、すっかり上っ面読みしちゃったぁ~い!w
そんなわけで、虚栄心を満たされるどころか、「あぁ~あ。俺って、実はバカだったんだなぁー」なんて。
すっかり落ち込んじゃったと(爆)
とはいえ、絶対っ!負け惜しみを言うわけではないがw、今の現役作家と比べると、出した謎を謎として読者に興味を持たせ続けさせるというのが弱いかなー、なんて思ったりして(笑)
ていうか、これを書かれた時代って、作家にそれがそれほど求められなかったんだろうな。
いや、それがよいとかわるいとか、そういうことでは全然ない。全然ないのだが、今の現役作家のその辺りの巧みさというのは本当にスゴイと思う。
ただ、こうして連城三紀彦なんかを読んでみると、巧みすぎちゃう気がしないでもないけど(笑)
そういえば、連城三紀彦というと「文章が美しい」みたいなところがあるけど、少なくともこれはそうは思わなかった。
むしろ、これだけ読んだら「時々、妙に変な文章が出てくる人だな」という認識になったと思う。
これは『戻り川心中』を読んだ時も思ったことだけれど、連城三紀彦の小説で美しいのは文章ではなく、その文章によって醸し出される抒情的な情景なんじゃないのかなぁ…。
その『戻り川心中』と比べると、これは趣が違う。
もちろん、『戻り川心中』は短編集でこっちは長編というのはあるんだろうけど。
ただ、これを最初に書いたということは、著者からすればこっちの方が本籍地だったりするってことないんだろうか?
とはいえ、自分の奥さんがいつの間にか他人とすり替わっていると思い込んでしまった旦那と奥さんが言い合い。「他人と認めろ」とベッドに奥さんを投げつけた旦那がその後、床に崩れ落ちてうずくまってしまったのを黙って見つめている奥さん、という場面の描写。
“夜は静かで、廊下を通り過ぎる夫婦者の楽しげな笑い声が聞こえた。皆そういう風に笑いながら、幸福を静かに失っていくのだと思った”
なんて凄みがある描写されているのを読むと、この辺の感性は『戻り川心中』を思わせるなぁーとも思った。
実は、上っ面読みしちゃったとか言って、読み終わってしばらく経ってから思い返してみるとこの本、なぜかすごく印象がいい。
読んでいる時に感じた構造の複雑さからくる「読みにくいなー」「なんだかわかんない」より、むしろ「面白い本読んだなー」という印象の方が強い。
たぶん、それはやたら凝りに凝った構造に負けず劣らず、お話がちゃんと物語がられていたからなんじゃないかと思うんだけど…!?
ていうか、これで作家デビューすることになった著者の「スゴイの書いてやるぞ」みたいな意欲と覇気がひしひしと伝わってくる感じもいいんだよなぁ…。
トリック(トリックという言葉が適当かどうかはともかく)そのものはかなりムリがあり、やっぱりどう考えたってムリな『Xの悲劇』をダメとし、こっちをいいとするのはいささか依怙ひいきだとは思うだけどさ。
でもコレ、今さら思ったけど、もしかしたら『戻り川心中』より好きかも?w
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もう一人の自分が夫と一緒にいるのを見てしまった妻、自分を轢いたはずのトラックが消えてしまった画家、ある日突然妻が別人になってしまった医師、妻に幽霊扱いされる夫。さらにそれぞれが絡みあい、ある精神科専門病院で連続して起こる事件へと繋がっていきます。
なんらかの説明がつくはずと読者としても頭を捻りますが、疾患による事実誤認以外浮かんできません。その上医師・看護師の前で消失事件が度重なる事態に至っては、夢オチかSFに持ち込むしかないのではないか、全ての謎がほんとうに解決できるのかと心配になってくるほど。事件が重なる度に頭の中が混乱してきて、それこそ幻覚を見せられているような錯覚を起こしかけたところで提示されるトリックで現実に引き戻され、と見事に振り回されます。それでも残る疑問。患者も含めた登場人物達の行動の理由。その全てに答えが出たとき残るのは、虚しさと哀しい滑稽さで、タイトルの「暗色コメディ」が改めて沁みました。
初期の作品らしく、著者の作品の中では本格ミステリ要素が強め。情緒的なものを求めて読みたくなる作家さんですがこういうのも面白いです。
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みんな狂ってるんじゃないかと思える前半から、バラバラの点がなんとなく繋がっていって、最終的にはよくぞミステリーに仕立てたなぁといった感じ。繊細なのか大胆なのか。
情景の描写が美しいと思っていたら、解説に「色彩感覚」「光に対する感覚」と書かれていて、そうか光や色の描写かと合点がいった。