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笑い転げながら読んだ。
エッセイでこんなに楽しめたのは久しぶり。もう、面白いのなんのって……。
有吉佐和子氏の小説は、とにかく真面目な長篇が神がかって素晴らしいので、エッセイも凄いんだろうかと思って探して買ってきて、ああ、やっぱり! と。
やっぱり、真面目で頭の良い人だからこそ、人を笑わせられるのだと思う。
いやあ面白かった。最高でした。
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残念ながら絶版のようなのですが、むちゃくちゃおもしろい旅行記です。
『複合汚染』の、と言えばいいのか、『華岡青洲の妻』の、と言えばいいのか、『恍惚の人』の、と言えばいいのか、その著作には枚挙にいとまのない有吉佐和子さんですが、本書は、ニューギニア旅行記です。友人であり、文化人類学者である畑中幸子さんに誘われて、ニューギニア奥地に踏みいる女流作家。
「よいところ」と言われて気軽に飛び込んだけれど、想像を超える苦難の日々が待っていたのでした。異文化とのふれあいが、女2人の漫才のような掛け合いを交えて、軽快なユーモアあふれる筆致で綴られています。
日本ではごくごくおとなしい人だった畑中さんが現地では逞しく研究している様が痛快です。
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冗談ではなく笑いすぎて涙がでた。
偏見は十分承知だが、今まで旅行記やエッセイの類は作者が読み手に自分の面白さをアピールしようと透けて見える所がどうも苦手だった。
しかしさすがの有吉佐和子の文章力である。
入りからぐっとつかまれ、現地の雄大で荒々しい自然描写、テンポの良いコントさながらの会話と、次々に出てくる形容表現に唸り、息つく暇なく読ませてくれる。
そしてパートナーであり、現地に調査のため滞在している文化人類学者の畑中幸子さんが非常によいキャラをしている。
長期間滞在して現地生活にすっかり慣れ親しみ、感覚の麻痺した畑中さん。
かたや、大都会東京から軽い気持ちで単身乗り込んだ有吉佐和子氏。
この凸凹コンビが繰り広げる掛け合いが何とも言えず面白おかしい。
カルチャーショック、畑中さんとの感覚の開きに動揺し、うなだれる有吉佐和子とアグレッシブに叱りつけながら進む畑中さんの姿はこの文庫の表紙イラストまんまである。
面白い部分に付箋をつけて元気のないときに読み返しているが、今だに笑えて元気になれる大好きな一冊。
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有吉佐和子さん(S6.1.20~S59.8.30急性心不全で急逝、享年53)の「女二人のニューギニア」を読みました。1985.7.20発行。1968年(S43)、有吉さん37歳のとき、友人の文化人類学者、畑中幸子さんが調査中だったニューギニアの山奥の村を誘われるままに訪れ1か月滞在したときの紀行文、爆笑エッセイです。面白かったです(笑)有吉佐和子さん、作品を読んだことはなく、若いころ難しそうな本を書かれてる作家さんだという印象を持ってました。この作品からは、天真爛漫、明るく楽しそうな有吉さんです。
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残念ながら著者は若くしてなくなってしまいましたが
彼女をニューギニアに連れて行った
畑中女史は今も生きておられます。
(画像検索をすると15年ほど前の画像が出てきます)
確かに強い女性ですわ。
二つ返事で行くなんていったのが運の尽き。
まさに地獄行き(?)のニューギニアへの旅。
足は悲鳴をあげても歩かなくてはいけません!!
著者はご存知のとおりで非常に
おかたいイメージの強い人でしたが
ところがどっこい、この本には
そんな要素は微塵もございません(笑)
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抱腹絶倒、驚天動地の有吉佐和子ニューギニア紀行。読み出すなり、あっという間に文化人類学者 畑中幸子の勢いにグイグイと引き擦り込まれて、振り回されて、あっと驚く結末にオマケまでついて、今年読んだ本の中では最高に面白い一冊であった。ニューギニアの未開文化もそれはそれで興味深いのだが、著者が「私の愚かさを天下に喧伝するのは本意でなかったが、…私がニューギニアで再発見した畑中幸子さんのことは何かに書き止めておきたかった」と語る通り、この本は女傑 畑中幸子をエスノグラフィカルに観察したフィールドワークの成果なのである。
この傑作が、現在ではもう手に入り難くなっているというのも悲しい。なにやってんだ、朝日新聞社!
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2018/11/20 詳細は、こちらをご覧ください。
『あとりえ「パ・そ・ぼ」の本棚とノート』 → http://pasobo2010.blog.fc2.com/blog-entry-1079.html
2010/1/31 読み始めたら面白く、一晩で一気に読み終わる!
1969年に出た単行本の文庫化。
先日読んだ本に紹介されていたので、ちょっと興味を持ちました。
ちょっとユーモラスな表紙に、
よくある TV番組の ”大変そうで気楽な旅行” のような内容の本だとばかり思って読み始めたら、とんでもない! 全く違った面白い本でした。
ニューギニアの未開の地で、バイタリティーのあふれる研究活動をしている 『畑中幸子さん』。
そこを気軽に訪ねることにした ”都会派の作家、有吉佐和子さん” の、びっくり仰天の旅日記。
有吉さんが畑中さんの住居まで、3日もジャングルを歩き奮闘する話も、2倍の実感を伴って読むことができた。
それにしても、大変なところへ行ったものだ!
そこで何年も研究する文化人類学の研究者のフィールドワークの苦労と価値の大きさが、こういう本で紹介されるのもいいことですね。