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私が大学のときに使っていた教科書です。いや、正確に言うと、買っただけで読んだことがなかったので、使っていたとは言えないかも。
そもそも私が習っていたピアノの先生はドレミは使わなくて、ドイツ音名で絶対音の主張だったものですから、移動ドというだけで当時の私にはうさん臭く思えてしまったのが、読んでない一つの理由です。もっとも、それ以外の理由として、ほとんど大学に行ってなかったとか、バイトが忙しかったという大きな理由もあります。
で、何となくずっと本棚に置いてあって、気になっていたので、今回突然読んでみました。
p.6 私が若い頃に留学していた西独のケルン大学音楽学研究所の図書閲覧室には、「黙って、おしゃべりは止めて」という歌詞から始まるバッハの有名なコーヒー・カンカータ(BWV211)の自筆譜の拡大写真が額縁入りで掲示してありました。これなども、「閲覧室での私語厳禁」といった掲示よりはずっと「詩的」であり、しかも音楽学研究所ならではの見事な着想といえるのではないでしょうか。
この話、授業でも言ってました。妙に覚えてます。私の記憶力って変かも。
それはさておき、この本を読んでみると、なるほど、移動ドにもいろいろ良さがあるなあ、ということが分かりました。何より、絶対音感のようなものは素人には憧れがあるけれども、実際にはほとんどの人が身につけることができないわけですから、それであれば移動ドをやった方がいいのではないかという主張もよく分かります。
音程計算と階名のところや転調のところは、なかなか面白いものですね。読ませます。これをもっと早い時期に知っていたら、もう少し音楽のことがよく分かったかもしれないと思うとちょっと残念です。
やっぱり、教書はしっかり読んで、大学ではしっかり勉強しないとダメですね。