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投稿者:によ - この投稿者のレビュー一覧を見る
連作短編集。
SFとファンタジーを行き来する世界設定で、言葉と想いに翻弄される。
それは幻か偽か。
安定の<言葉使い師・神林長平>氏の世界観で大満足なのはもちろんなんだけど、色たちのファンタジー側の世界設定が綺麗で好みだった!
ラストは心暖まって(今自分が)現実(と感じて信じている世界)に着地させてくれる親切設計。
とっても良かった!大好き。
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投稿者:早川書房編集部 - この投稿者のレビュー一覧を見る
磨きぬかれた言葉とイメージが織りなす星雲賞受賞の連作短篇集。藤原ヨウコウによる新カバー特別重版。
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この本が発行された当初から愛読。神林長平の中でも一番好き(少数派だろうけど……)ここに表現される“言葉”に対する独特の感性がたまらない。最後の「その言葉は――彼女にやってくれ」で涙する。
言葉とはそういうものなのかもしれない。
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都市を制御するコンピュータにコミュニケートできない少年=存在しないもの。人の目には映ってもあらゆるサービスから除外される少年。
そして少年は、堕天使と出会う。
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とにかく好きな作品。読んでも読んでも掴み切れないというか、読むたびに気が付くというか。
途中はけっこうグロい描写もあるのだが、とにかく色々な世界が詰め込まれているし、ファンタジー風あり、ハードボイルド風あり、ハードSF風ありで全て思い出そうとすると筋も登場人物もゴッチャになってしまう。
実際、色々な世界を次々と転々とするエピソードの中で、かなりの登場人物は同一存在でもあるわけなのでゴッチャになってもOKだと思う。
特に好きなのは色をモチーフにした魔の世界。それから、プロローグの黒い天使が突如現れるところなど。
雨が降っていたせいか、この場面を読むと映画『ブレードランナー』を。ブレランを見ていると『プリズム』を思い出す。
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長く品切れていたものが、いつの間にか復刊していた。嬉しい。この作品と「貴方の魂に安らぎあれ」は奇跡の名作だと思う。今の神林のように洗練されてはいないが、今の神林には描けない世界。つまり、世界中もう誰も描けない世界ということだ。それを悲しむより、そういう作品がここにあるということに感謝しよう。……思い入れすぎてなんか文章が変になってるぞw
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共通した世界観を持つ、いくつもの物語が連なって出来ている。
まさにプリズム。SFでもあり、ファンタジーでもあり、ハードボイルドな物語もあり。
この著者の中でも、一番好きな作品のひとつ。
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地上3万メートルの都市上空に浮かぶ直径137メートルのそろばん玉の形をしたスーパーコンピュータ浮遊都市制御体、これに支配される都市が舞台。
物事にはさまざまな視点が存在し、その視点によりすべての事象は変化してしまう。そんなことを伝えてきてるような気がしました。
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神林先生のSFは大好きなのですが、これはちょっとその中でも毛色の違う感じがしました。
もちろんジャンルはSFです。けれどどこかファンタジーチックでSFを読んでいるはずなのに、童話のような世界に引き込まれていく、そんな感じがしました。SFが得意でない方の入門にはどうでしょう。ファンタジーとして読んでも十分楽しいと私は思うのですが。
残念なのは表紙が変わってしまったこと。前の表紙の方がよかったなあ。内容と表紙の雰囲気がマッチしていて。
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<あなたに想われて、わたしがいる>
地上3万メートルの都市上空に浮かぶスーパーコンピュータ・浮遊都市制御体によって管理、運営されたこの世界。しかし、神のごとき完璧なシステムとコミュニケートできない人々が存在した。確かに存在し、人間の目には見えているが、何故か都市制御体には決して認識されない彼らは「幽霊」と呼ばれ、警察機構から追われている。
五芒星形(ペンタグラム)の瞳を持つ「幽霊」の少年は、ある雨の夜、堕天使に出会った。神を信じたためにこの世界へと落とされたルビーの瞳を持つ堕天使は、地球をリンボウと呼び、少年に赤い表紙の書物をもたらす。ルーブリック・コード。神の法典。
『わたしに期待するな。子らよ。わたしはなにも決定しない。わたしは賽をふらない』
コードに触れ、異世界の神の言葉に触れた少年は、自分が本当に生きる世界を知り、堕天使とともに望まれた世界「ルービィ・ランド」への帰還を目指す。一方、リンボウで、ルービィ・ランドで、少年を想い、彼を捜し求める少女がいた──。
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〈わたしは想う、だからわたしはいる〉+〈あなたを想う、だからあなたがいる〉=〈あなたに想われて、わたしがいる〉
制御体とうまくコミュニケート出来ない弟に兄がソフトクリームをあげる場面が好きだ。
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同一の世界観に貫かれている、けれどもそれぞれ違う世界・違うキャラクターを中心に据えた七つの作品による連作短編集。色を司る“魔”たちが支配する世界、都市上空を浮遊するスーパーコンピュータが人間を制御・管理する世界、そして“神”ルーブリックのもとで色と人間たちとが共存する世界――時にはファンタジー、時にはSF、プリズムのように色を変えながら、いずれにせよ神林作品ならではの言葉で編まれた短編たちは、「太陽の汗」に続き、“存在”とは自己認識か、他からの認識かというテーマを掘り下げている。
都市制御体から認識されず社会的に「いないはずの者」として扱われている少年、制御体のパーツであり無機物であるのに制御できない自己保存機構ゆえに「自己」を見出す機械、自分が「現実」と信じている世界を頑なに信じる男。自分とは何か、どこにいるのかという問題に翻弄される登場人物たちは、やがてそれぞれのゴールにたどり着く。「あなたがいて、わたしがいる」――「わたしは想う、だからわたしはいる」だけでなく、「あなたに想われて、わたしがいる」ということ。「心して想え」というルービックの教えと、「注意深く言葉を使うがいい」という使い魔の警告。“想い”という自分だけのものを、“言葉”という他者へ伝えるツールに乗せることで、世界は変わる。プリズムが生む様々な色の世界をたどる内に見えてくるメッセージは、“言葉使い師”である神林氏が自身に課している責任のようなものも垣間見せていて、興味深い。
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冒頭にある通り「あなたがいて わたしがいる」話だ。
その言葉の意味するところは、本書を読め、その言葉通りの話だ。
タイトル通り、多面体な話。
それぞれ独立した世界が少しづつ位相を変えて展開し、それらが全てでひとつの世界を成している。
ハイ・ファンタジーかつハードSF。
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意味わからん。
夢のような話。全体的に意味がわからない。もう少し他の作品を読まないと癖に惑わされるのかもしれないけれど、今のところさっぱり面白くない。残念。懲りずにトライしてみよう。
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序盤では世界観が全く掴めないが、読み進めるうちにだんだんとわかってくる。もつれた糸がほどけていくような感覚だった。が、一度読んだだけでは作者がこの作品で何を述べようとしたのか、自分にはわかりそうもない。個人的には、序章からの謎が一気に収斂していく四章「ルービィ」は圧巻だった。