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紙の本
友情を考える
2012/05/17 18:45
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:夏の雨 - この投稿者のレビュー一覧を見る
おなじみの斎藤隆介さんと滝平二郎さんの二人による絵本です。
でも、この絵本は斎藤さんが亡くなった1985年のあと、斎藤さんの原作に滝平さんが切り絵で描いたものです。だから、斎藤さんはこの絵本を見ていません。
もし、斎藤さんがこの絵本を手にしていたら、なんとおっしゃったでしょう。「さすが滝平さんはうまいね」ぐらいは云ったでしょうか。
物語は遠い昔。ナの国の秋に行われる若者たちの競技が舞台となっています。16歳のユと13歳のムという、二人の若者が主人公です。二人は親友です。
競技ははしりくら(徒競走)とやり投げ、そして石あげの三種類で、勝ったものが組のカシラになるというものです。
どの競技でもユの力が秀でていました。そんなユの姿にムは飛び跳ねながら喜びます。
でも。
村人たちの広場に突然凶暴な四足動物ヒが襲ってきました。逃げまどう村人の中で、勇敢なユはヒに向かっていきます。
そして、もう一人。競技ではいつもユに遅れてとっていたムもまた。
実は実戦ではムの方が数段ユより優れていたのです。
そして、ついにムはヒを射止めます。
この物語が美しいのは、ユもムも互いにひがまないことです。憎まないことです。互いが互いの力を尊敬しています。このテの物語として不思議なことに、誰も悪人が登場しないのです。
そこで考えるのは、どうしてこの物語を斎藤さんはカタカナ一文字の物語としたのかということです。きっと斎藤さんは、その一文字にこの物語のヒントを埋め込んでいるのではないでしょうか。
凶暴な四足動物ヒはヒョウのことでしょう。
16歳のユは、勇気でしょうか。あるいは勇敢のユかもしれません。
13歳のムは、無邪気のムなのか無欲のムなのか。
この絵本を読み終わって、その一文字にどんな意味があるのか想像してみるのもいいでしょう。
もしかした、ユは夢のユかも。だとしたら、夢は夢中のムとも読めますもの。
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