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阿刀田さんの初の長編作品。
いや〜よかった。阿刀田さんの長編はよくないって先入観があったけど、それを見事に覆してくれました!!
これは、「粉川忠」さんっていう実在の人物の半生を綴ったものです。
もちろん、阿刀田さん自身で脚色されたりもしてるんだろうけど、一人の男が無の状態から紆余曲折を経て自分の野望を実現させていく過程には、嘆息しました。すばらしかったぁ♪
これのおかげで、阿刀田さんの長編アレルギーが払拭できる予感!?
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成人前のとある一時期、ふとしたきっかけでゲーテの作品に触れることになった主人公。あっというまにゲーテに感化され、「俺はゲーテを一生かけて研究し、ゲーテ図書館を作る」と思い立つ。ゲーテ図書館を作る原資を得るために、エリートコースを捨て、故郷を捨て、味噌漉し機を発明販売し事業を起こす。その後、ビジネスは順調に伸び、第二次大戦の戦火も免れ、ひたすらゲーテに関する資料の収集を続け、ついに晩年、ゲーテ図書館を作り上げる。
仮にきっかけは偶然であったとしても、その偶然が身に起こるように積極的に毎日を生き、そして、その偶然を必然だと意味づけをして主体的に人生を生きることができた、という点で、粉川さんはライフワークを自分自身のもとにたぐりよせることができた人なんだろう。
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http://www.bunshun.co.jp/cgi-bin/book_db/book_detail.cgi?isbn=9784167278076