紙の本
「マット・スカダー」シリーズ10年前の回想
2003/02/11 17:33
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投稿者:りゅ - この投稿者のレビュー一覧を見る
なじみの店と言えば、酒の飲める店と言う元刑事で探偵のマットの10年前の回想篇。時々記憶をなくすほど飲みながらもその魔力(?)により事件を解決に導いてしまう彼は、まだ自分をアル中であるとは認めてはいない。しかし、どこかおかしくなり始めている。飲みに出ると家(ホテルの一室)に帰ることができない。帰ろうと思ってもまたバーに入ってしまうのだ。「八百万の死にざま」をターニングポイントとすれば、以前の自分を語るというAA(無名のアルコール中毒者たちの自助グループ)の実践を本書で彼はしているように思う。取引現場の教会をAAグループが使用していたというあたりは、あのときAAにつながっていればということなのか。ニューヨークの孤独を生きるためにアルコールは必要だった。後悔はしていない。と彼は言う。それが、今の彼(10年後の彼)につながっているのではないか。いま彼は、バーボンの入っていないコーヒーを教会の地下室で飲むのである。
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アル中探偵マット・スカダーシリーズ。あぁ、本当、良かった。酒に溺れながらも、絡み合った事件を調査していくマット。カッコイイんだな。女にもそこそこモテルし。なんていうか、孤独感が深くて、潔い、ハードボイルドでたまりませんでした。今回、本当にゆっくり読み進めて、先が気になるけど、まさかそんな…って展開。終わりがずっと来ないといいのにと思うほど、読み続けていたかったです。ありがとう。出会えて良かった。
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前作を読んで「この後どうなるだろう」と続きを期待していたら、過去の話に戻っていてちょっと肩透かしをくらった気分。
だが、ハードボイルドらしいといえば、ハードボイルドらしいストーリーだったので、それも良しか。
話の展開的には、ラストに二転三転あり、なかなか良かったかも。
でも、なぜだろう。
ニューヨークの酔っ払いオヤジたちの話なのに、
「Stand by Me」の曲が耳を離れない。
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スカダーが十年前のアル中に事件を思い出し苦い思いを噛みしめる。調査が次々に繋がっていき、何人も殺されていく。スカダー流の決着の付け方もハードボイルドだ。最高傑作の一つ。
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スカダーシリーズ第六作。過去の事件の回想。
親友だった男を売ったくだりは哀愁漂う。
そしてアルコールを克服したスカダー。
この十年間のハイライトがめちゃくちゃカッコいいと思う。
スカダーシリーズ、完みたいな流れだが、
この後まだまだ続くのだ。
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アル中探偵マット・スカダーシリーズの中でもターニングポイントになったであろう作品。
その前作の「八百万の死にざま」で、それまでかたくなに拒んでいた「自分はアル中である」という認識を告白したスカダーを見て、もうこのシリーズはおしまいかもと思っていたら、この作品が出た。
もうお酒を飲んでいないスカダーが、お酒を飲んでいた時代の事件を思い起こす、という形式で語られるこの作品。酒を飲む人間にとって、酒場とはどんな意味合いがある場所なのかと痛烈に感じさせる。
事件はふたつ。裏帳簿を盗まれた酒場店主からそれをとり返すためにお金を払いに行くのに付き合って欲しいと頼まれたこと。
妻殺害の疑惑をかけられたセールスマンから、その疑惑を晴らして欲しいと依頼されたこと。
だが、このシリーズは事件解決に向けての謎ときを楽しむというよりは(もちろんそれも楽しいのだが)、文章に刻まれているスカダーの感情や、しんみりとした雰囲気、ちょっとだけ裏のニューヨークの空気を感じることのほうが楽しいものだ。
もうひとつのシリーズ、「泥棒バーニィ」シリーズがカラッと晴れた昼間のような作品であるとすれば、スカダーシリーズは夜から夜明けに移る瞬間のようなシリーズの雰囲気となっている。
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面白かった。
但し著者はもっと尺を取る予定だったのではないか?
終盤で主要登場人物が次々と殺害されるし主人公が重要な犯罪を犯していることについて説明がない。おまけにその先、一気に10年後の回想記録になっている。
消化不良感がある。
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田口俊樹氏翻訳によるロ-レンス・ブロックの「アル中探偵・マット・スカダ-」シリ-ズの第6弾は、本棚の隅に30年以上眠っていた初読み作品。 ニュ-ヨ-クの酒場酒場を練り歩く元警察官マットが、10年前の窃盗、恐喝、殺人が複層する犯罪事件を回想したノスタルジックなハードボイルド小説。事件当時の関係者は世を去るか消息不明となり、渡り歩いた酒場は今はなく、マッドは酒との縁を切ってバーボンの入っていないコ-ヒ-を飲むようになり、すべてを変えた10年の月日を振り返るマット・スカダ-でありました。
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シリーズの今までの作品よりは面白かったです。あたしゃ下戸なもんで酒呑みの気持ちなどまったくわからないが、お話としては面白かったですよ。