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紙の本
奇想天外な話の面白さに脱帽。『あなたに似た人』に引けをとらない、面白い短編がいっぱい
2004/06/25 22:06
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投稿者:風(kaze) - この投稿者のレビュー一覧を見る
着想の妙と、ストーリーテリングの巧さを存分に味わわせてくれる短編集。粒ぞろいの11の短編は、ダールの語り部としての才能を、存分に味わわせてくれるものばかり。なかでも、「ウィリアムとメアリイ」「牧師のたのしみ」「ローヤル・ジェリイ」「暴君エドワード」「ほしぶどう作戦」の話が印象に残る。
夫の死後、妻の自分に宛てて書かれた手紙から、彼が奇妙な実験に関わっていたことを知る——「ウィリアムとメアリイ」
骨董家具商のボギス氏が、ロンドン郊外の田舎で、値打ちものの家具を訪ね歩いている時に……。——「牧師のたのしみ」
赤ん坊の育ちの悪いことを、とても心配している両親。ある日、父親が素敵なアイデアを思いつく——「ローヤル・ジェリイ」
たまたま拾い上げたネコに、ある不思議な才能が宿っていることを妻が見つけて……。——「暴君エドワード」
雉子(キジ)の密猟を計画した二人組が、奇抜な方法を使って、大量の雉子を捕獲しようとする——「ほしぶどう作戦」
奇想天外な話の面白さ。ウィットとひねりを効かせた話の妙味。
どの作品も、話の行く先が気になって気になって、わくわくしながら読んでいった。
『飛行士たちの話』『あなたに似た人』に続く、ロアルド・ダールの第三短編集。「味」「おとなしい兇器」「南から来た男」の各作品が、とにかく強烈な印象を残す『あなたに似た人』の陰に隠れた感のする本書(1960年)だが、面白さではちっとも引けをとらない。むしろ、話の粒が揃っていることでは、前作以上ではないだろうか。
それにしても不思議でならないのは、本書を始めとして、早川書房の「異色作家短篇集」のシリーズが文庫化されないこと。文庫化されれば、面白い短編集を読んでみたいと願う読者の渇を潤すことだろうにと、もったいない気がしてならない。
紙の本
11の物語。摩訶不思議な読後感。
2002/07/20 01:27
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投稿者:ダーナ - この投稿者のレビュー一覧を見る
とびきり楽しい児童文学の名手として名高いダールの、これは大人向けブラックチョコレート。残酷な苦味と、童話的な甘味が脳髄にからみつく。芳しさを添えるのは、自然描写の美しさ優しさ。吐き気でもなく陶酔でもなく、亜空間でもなく白昼夢でもないような、しかしまた、その全部であるような、読中読後であった。
個人的には、「それはそれは可愛らしい男の子」が主人公の「豚」が特に印象的。残像が薄まるにはまだまだかかりそうだ。
紙の本
毒入りキッス
2001/04/30 05:40
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投稿者:夜来花 - この投稿者のレビュー一覧を見る
作者の妻だった(後に離婚)女優・パトリシア・ニールに捧げられた本作は、なんといっても『キス・キス』というタイトルが秀逸。この上なく粋で洗練されていて、しかし、どうしようもなく残酷で意地悪なダールの作風に、このタイトルは本当にぴったり。ただし、この『キス』は毒入りですが……
かなりの寡作で、生涯に数えるほどの短編集しか出していないダールですが、それだけに、本作や『キス・キス』に納められた諸短編は細部にまで神経の行き渡った傑作揃い。しかし、これほどの傑作が、現在入手困難な状況になってしまっているようなのです。最近、ハヤカワ文庫がたて続けにダールの本を出していましたが、この作品も文庫化して貰いたいものです。
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