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クリスティーンはその本性を現し、クリスティーンとアーニーを害そうとするものを惨殺していく。アーニーをクリスティーンから引き離そうとする友人デニスもその標的となり…。どこにでもいる、いわゆるモテない少年の恋と友情をホラーで味付けしたのが本作。ジョン・カーペンター監督で映画化されたが…ほら、そこはカーペンターですから。(一応言っておくと、カーペンター大好きです私)
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同じくキングの作品。
デニスの親友アーニーはさえない男の子。いじめっ子にすぐ目をつけられるにきび面の負け犬。そんな彼が高校の最終学年を前にした夏休み、クリスティーンに一目惚れ。アーニーはデニスと両親の反対を押し切り、彼女にお金と時間と、そして彼自身をも注ぎ込んだ……。
キャリーと比べると、こっちの方が怖いです。クリスティーンには、一人の男の怨念がとりついていて、それがアーニーを飲み込んでいくのですが、キャリーと違ってその男にはあまり同情できるところがありませんし、話がつうじないタイプなので、怖さが増します。怨念なので当然かもしれませんが、一方的に自分だけの都合と理解でことを起こすので、こちらからも理解ができないという、殺人鬼としては一般的な怖さといえるかもしれません。ラストのクリスティーンとの対決シーンも、手に汗握る迫力です。それにラストの一文は、ホラーものによくある、これで全てが終わったわけじゃないという形になっています。
それでも、この話を読んで、一番胸に残るのは、クリスティーンや怨念に対する恐怖ではなく、失われたデニスとアーニーとの友情に対する痛みでした。
デニスはアーニーの側で、彼の一目惚れからの全てを見届けることになります。また、デニスはクリスティーンからアーニーを救おうとし、半分だけそれに成功します。この話は22歳になったデニスが、一連の出来事を振り返るという形で始まります。
彼の一人称で進む前半は、正直に言って少々だるいところがありました。全てに対する説明が詳しすぎて飽きるのです。アーニーと行ったピザ屋さんがどんな内装でどんな雰囲気でそこで出すピザがどういうもので、というような些細なことまで非常に細かく書かれるので、読んでいるとだんだんそんなことどうでもいいって飛ばしてしまいたくなるのです。アーニーとの子供時代のエピソードも、これでもかとつぎこまれます。
けれど、最後まで読むと、そうした些細な日常を貴重に思うデニスの気持ちが理解できるので、冗長にも思える箇所にも意味があったのだと納得できるようになります。
ので、この本をこれから読まれる方は、どのエピソードも飛ばすことなく拾い上げていってくださいませ。私は結構飛ばしてしまいました。
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やはり救われない結末。そして最後まで恐怖のエッセンスをちりばめて・・・
でも読後、後味が悪いというわけではない。
これがキングの良さなのかなあ、と感じた。
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たしか冒頭で『この物語はアーニーとリーとクリスティーンの物語』だと書かれている。
しかしこの物語は アーニーとデニスとクリスティーンの物語だ。
もっと突き詰めれば アーニーとデニスの友情の物語だと思う。
映画版はB級のホラーだったが、原作は全編に悲しい雰囲気のただよう しかし いつか見た自分たちの幼い頃の景色を思い出させる素晴らしい名作。
この本を読めて良かったと思える1冊。
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アーニーは親友や恋人とのつかの間の生活を楽しんでいたが、クリスティーンが起こした殺人をきっかけに何者かに取り付かれていく。青春と狂気が入り混じり、事態は恐ろしい展開を迎える。
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98023
主人公の死に“僕たちはまだダブルデートすらしていないじゃないか”と友人が嘆く場面に泣ける。
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最後まで読んでみてもやはり「これは青春小説なのだなあ」という感想は揺るがなかった。青春の日々との決別、子供から大人になる第一歩を描いて切ない物語であり、そして訳者解説にあるように「深く結ばれたアーニーとデニスの愛の物語でもある」。
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再読。
禍々しい人格を持ったような、1957年型プリマス・フューリー。その名をクリスティーンという。
それは、元の所有者の怨念が宿ったようなもの。
その怨念に取り憑かれてしまった友人と、彼の恋人、そして主人公の〈ぼく〉の恐怖や友情、闘いを描いたものなんだけど、一見滑稽なような、はたまたダラダラとした長広舌のようでありながら、全編にわたって生き生きと、全ての登場人物が描かれていて、全くダレたり飽きることがない。
根底には愛があるんだね。
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ロ−ランド・D・ルベイと愛車クリスティーンの強力タッグが繰り広げるただただ恐怖の物語。ルベイかクリスティーンのどちらが結成を呼びかけたかは読み取れなかったが、この素敵なコンビのが永遠に生き残り悪態をつくため乗り移る標的に指名されたのがアーニー・カニンガム。アーニーはそれまでの17年間もママに支配され、その後ルベイとクリスティーンに支配されやられたい放題で短い人生を終わらせたのは可愛そうでありしかたのないこと。キングの小説の結末は希望があるのと無いのとありますが今回は後者、どちらも好きですが。