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延々と著者自身のこれまでのスピーチが並べられていて、
(篠原修がたしかすすめていたにしては)「?」と思いつつ読んだけれど、ラストの「対談」で一気に心を掴まれた。
この対談で語られている留意点みたいなことを踏まえて改めてそれまでの原稿を読んでみたいとも思えるほどである。なるほど、名著だ。
まずなんといっても、やはりあらかじめ原稿を書いておくこと!これに尽きる。
そのうえで、長いのはよくないとか、下世話な受け狙いはするな、とか、普段からユーモアセンスを磨いておくべき、とか、そういうことも琴線に触れる。
あらためて、惹きつけられるような話を、ちゃんとできるようにしないといけないと思った。(まず、ちゃんと原稿を書く!)
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あと、「弔辞」の事例がいくつかでてきたことに、ハッとする。大舞台でのあいさつ、というのは例えば結婚式での祝辞が思い浮かぶけれど、それに値する、ひとりの人間にとっての大舞台(自分が主役になる日)といったら、まさしく葬式だろうと思う。
そしてまた葬式は、(もちろん故人への言葉という性格もあろうけれど)遺族をはじめその場に居合わせる人々へのメッセージという性格が強いから、悲しい気持ちにさせない、ユーモアをも交えられるような、あるいはリスペクトを伝えられるようなスピーチが、求められているのだろう。。