紙の本
転職モノか?青春モノか?零細企業実録経済小説か?
2002/02/21 23:13
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投稿者:よしたか - この投稿者のレビュー一覧を見る
本を読むことが大好きで、職場や会社が大嫌い! 転職のエキスパートだった作者が、作家の椎名誠さんやイラストレーターの沢野ひとしさん、書評家の目黒さんたちが立ちあげた「本の雑誌」の事務をやることになった。本書は、まだメジャーになっていない、作家たちの青春記、交友記としてもおもろしい。
一度読んでおもしろかった本をもう一度読む。しかも、その本の気に入った部分だけを読む。これはとてもぜいたくな気分になれる読書法だと思う。今回は、本書の後半部分を熟読した。
ちょうど椎名誠さんの「本の雑誌血風録」を読んだばかりだったので、今度は、群ようこさんサイドから見たところを読みたくなったのだ。「本の雑誌」には、才能のある人が集まったんだなあ、とその偶然に関心してしまった。
事務をやっていた群さんサイドから「本の雑誌」のメンバーを見ると、よくもまあ、こんないいかげんなことをやっていたもんだ、と感心するくらいにおかしくなってしまう。誰もが手探りで試行錯誤していたんだろう。いくら個性的で楽しくても、部下として働くにはちょっと、というメンバーと働いている群さんの葛藤なんかがリアルにつたわってきておもしろい。
作家にかぎらず、クリエイターというのは魅力的だが、遠くで見ているほうがいいのかもしれない。
「本の雑誌」の出版が遅れたり、発行日訂正シールを何度も貼りにいったり、文句の電話を受けたりと、楽しいことばかりじゃなかっただろうけど、こうして読んでいると青春モノを読んでいるような気がしてくる。
群さんのファンとして読むか。転職者の記録本として読むか。椎名さんや「本の雑誌」のファンとして読むか。青春モノとして読むか。零細企業モノ経済小説として読むか。マスコミ業界について知るために読むか。
本書はいろんな角度から読める。もちろんユーモアたっぷりだし、へんにこじゃれていない、骨太のシンプルな文章だから、とても読みやすい。
いろんな人にオススメだ。
紙の本
なるほど、こういう方法で。
2001/06/24 22:16
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投稿者:una - この投稿者のレビュー一覧を見る
転職歴を見てるとやっぱり女の人の就職って大変なんだなあ、と思う。本の雑誌へのアプローチの仕方とか、そこからエッセイストへ到る道などを見ると、「ほー、なるほど、こういう方法で」と頷いてしまう。
転石苔生さず、と云う言葉がピッタリくる、ある意味サクセスストーリー。「本の雑誌血風録」のリファレンスとしてもオススメできます。
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エッセイスト群ようこセンセ。広川がなにか書いているときは、センセのエッセイしか読めません。この「別人「群ようこ」のできるまで」は、まさにタイトルどおりの内容。これが事実だってんだからスゴイよね(笑)
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*
若いころの仕事の話。こんなに会社勤めはたいへんなのかと、この本を読んだだけで憂鬱になってしまった.
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内容(「BOOK」データベースより)
求人広告で見つけた代官山の広告代理店、カッコいいお勤めと思ったのに残業時間はものすごく上司ときたらいやらしい。転職重ねて6回目、遂に落着いた先が椎名誠、目黒考二、沢野ひとしの本の雑誌社。苦情電話と台帳相手に留守番ひと筋のイライラを原稿用紙にぶつけて解消するうちに、いつの間にやらエッセイストになりました。
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高校3年生くらいから、かなりハマった「群ようこ」
エッセイを書かせたら右に出る人はいないと思っています。
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この本に出会ったのは学生時代。
当時アルバイトをしていた書店で、レジカウンターに立ちながら、(原因はすっかり忘れてしまったけれど)ひどく落ち込んでいた私に店内整理から戻った私に「これ読んだら元気になるで」と、店長が手渡してくれたのがきっかけだった。
群ようこさんの本は、以前おばにすすめられて読んだ「アメリカ居すわり一人旅」がおもしろかったこともあり、買って読むことにした。
その夜の読み終わったあとの興奮は、今でも忘れられない。
仕事に、生き方に、ぐるぐると迷い続けた数年間ののちにエッセイストとしてスタートするまでを描いているのだけれど、悔しく惨めな思いの詰まったOL時代、「本の雑誌社」で働けることになって喜んだのもつかの間、不安に押しつぶされそうになり、ギリギリの精神で生きていた緊張感などが含まれていて、読みながら心がきりきり痛くなってくる。
けれど、恨み節でも、しゃかりきにがんばろう!という雰囲気でも決してなく辿りつくのは「仕方がない、やるしかないのだ」という言葉。
頭を上から押さえられたとしても、力でその手を振り切るのでも、泣いて逃げるのでもなく、じーっと上目遣いで相手の動向を伺いながらため息をつきつつ仕事をこなし、最後に最後に相手の腹に回し蹴りを入れて去るような、そんな爽快感。
けれど、そこに辿りつくまでの鬱々とした気持ちは痛いほどわかるし、社会の中での理不尽な扱いもきっと誰しも「あるある」と感じるからこそ、本の中に入り込んで一緒になって「やるしかないのだ」と思える。
読み終えたあと、頭のてっぺんから煙が出ているのではないかというほど体の芯から力が湧いて熱くなり、すすめてくれた店長に感謝した。
「仕方がない、やるしかないのだ」
この本に出会って以来、私は壁にぶつかるたび、本を読み直してはこの言葉を繰り返し呟いてまた拳を握り直すことにしている。
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くじけたっていいんだ、大丈夫だって思える本。
群ようこは出るべくして出た人なんだなぁって思う。
私には仕事を変えて泳いでいく勇気、ないもの。
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一気に読んだ。
群ようこの性格が良く分かって飾らない、頑張り過ぎない彼女にとても好感を持てたし、群ようこからみた椎名さんの仲間たちの様子がとても興味深く、楽しんで読んだ。
中でも、群ようこがやりたい放題の沢野さんに冷たくし、シュンとして帰った彼がいままでいた場所に残した「僕のこと嫌い?」のイラスト付きメモのエピソードは、憎めない彼の人柄が出ていて、とてもかわいらしくて笑ってしまった!
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「本の雑誌」を群ようこ視点で語られていて
椎名誠の「本の雑誌血風録」と合わせて読んだので楽しめた。
余計に本の雑誌自体を読んでみたい。
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執筆家としての「群ようこさん」ができるまでの自伝本的エッセイで
広告代理店から始まり、職を転々としながらどうやって
今の群さんが生まれたのかももちろん、昭和60年に書かれた本なので
ワタシがまだ子供で知らなかった大人の目線での60年を見れたのも
すごく興味深く、おもしろかった。
「本の雑誌」の熱心な読者から、働く側になった幸せと苦悩、
物書きとしての道を見出してくれた母的存在の西村かえでさんとの出逢い、
「群ようこ」というペンネームになったいきさつ。
群さんファンとしてはたまらないエピソードも満載でした♡
中盤までは苦しくて苦々しい会社でのエピソードが続くので
ちょっと読み進めるのがつらかったけど、広告代理店時代の電話応対で
「いつもお世話になっております」と「こんにちは」が
慌ててしまって、「いつもこんにちは」と言ってしまった
エピソードなど、群さんらしい軽快なテンポでタイムスリップした
昔の日本の背景も体験できて楽しい1冊でした。
「本の雑誌」もその当時の椎名誠さんの本も合わせて読んでみよう!
と新たな楽しみももらいました[*Ü*]
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群さんのOL時代を知ることができて面白かった。本の雑誌社の面々をwikiで調べて、「あぁ〜こんな人たちなんだぁ〜」と一度で二度楽しめた。
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図書館で借りたので、読んだのは単行本版。本の雑誌の目黒考二氏がお亡くなりになったので、関連本として読んでみた。本の雑誌草創期の目黒さんの様子が伝わり、感慨深いのであった。
本の前半で広告代理店の話がでてきて過酷な勤務状況が語られるが、当時はたいていそんなもんじゃなかったのかなあと思いました。どの世界でも代理業はつらいんだな。