紙の本
落ち込んだときに読む本。
2002/07/27 04:32
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投稿者:絢子 - この投稿者のレビュー一覧を見る
自分がとことん嫌になったときなんかに読むと、なかなか元気になれる本である。実際にとことん落ち込んでいるときは、そんな本を読むことにまで気はまわらなかったりするのであるが。でも、読み返すたびに思う「次に人生のスランプが来たらこの本を読んで自分を励まそう」。
群ようこという人気作家が出来るまでの、すったもんだの半生が軽快に書かれている。転職すること6回、化粧にもファッションにも気を使わなかった学生時代の話など読むと、「ははーん、群ようこってば私なんかと大して変わらないぐうたらさながらも作家になっちゃったのね」などと妙に自分に対する焦りが消えてしまう。「辞めたほうがいいんじゃないか」と思いつつ仕事を続けているときの心情描写など、まさに「よくぞ書いてくれました」と手をたたきたくなるほど20代女性の揺れやすい気持ちを代弁してくれているように思う。そしてまたまた、「愚痴こぼしつつ会社に通っちゃうところなんて、私たちと変わらないのよね」と安心感を覚えてしまうのだ。そう、本を読んでいる間中は決定的なことを忘れている。群ようこには才能があって、それは私にはなかなか手の届かないところにあると言うこと。でもまあいいじゃないか、読み終えるまでにはまた自分にほんの少し自信を持てたりしているのだから。
紙の本
エッセイストのできるまで
2002/02/26 15:05
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投稿者:初音いづみ - この投稿者のレビュー一覧を見る
群ようこは本の雑誌社の最初の社員だった。給料は3万円。20年以上前のことだが、3万円というのは当時としてもかなり安かったらしい。転職につづ転職のあげくに「本の雑誌」の読者になり、ひょんなことからそこの社員になり、そのあげくにエッセイストになってしまった。もともとエッセイストになるつもりなんてなかったらしい。でもきっと、そういう素質はあったのだろう。これだ! と思って入社した本の雑誌社。そこでは一日中、かかってこない電話の前で電話番をするのが仕事だった。そんな仕事をOKしてしまうような人なのだから、もともと普通の人とはちょっと変わった面白いネタの豊富な人だったに違いない。彼女を発掘した人もすごいと思う。タイトルに「別人」とついているが、群ようこ本人が、本名の自分と、ペンネームの群ようこを別人だと感じているというのも面白い。
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エッセイスト群ようこセンセ。広川がなにか書いているときは、センセのエッセイしか読めません。この「別人「群ようこ」のできるまで」は、まさにタイトルどおりの内容。これが事実だってんだからスゴイよね(笑)
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*
若いころの仕事の話。こんなに会社勤めはたいへんなのかと、この本を読んだだけで憂鬱になってしまった.
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内容(「BOOK」データベースより)
求人広告で見つけた代官山の広告代理店、カッコいいお勤めと思ったのに残業時間はものすごく上司ときたらいやらしい。転職重ねて6回目、遂に落着いた先が椎名誠、目黒考二、沢野ひとしの本の雑誌社。苦情電話と台帳相手に留守番ひと筋のイライラを原稿用紙にぶつけて解消するうちに、いつの間にやらエッセイストになりました。
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高校3年生くらいから、かなりハマった「群ようこ」
エッセイを書かせたら右に出る人はいないと思っています。
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この本に出会ったのは学生時代。
当時アルバイトをしていた書店で、レジカウンターに立ちながら、(原因はすっかり忘れてしまったけれど)ひどく落ち込んでいた私に店内整理から戻った私に「これ読んだら元気になるで」と、店長が手渡してくれたのがきっかけだった。
群ようこさんの本は、以前おばにすすめられて読んだ「アメリカ居すわり一人旅」がおもしろかったこともあり、買って読むことにした。
その夜の読み終わったあとの興奮は、今でも忘れられない。
仕事に、生き方に、ぐるぐると迷い続けた数年間ののちにエッセイストとしてスタートするまでを描いているのだけれど、悔しく惨めな思いの詰まったOL時代、「本の雑誌社」で働けることになって喜んだのもつかの間、不安に押しつぶされそうになり、ギリギリの精神で生きていた緊張感などが含まれていて、読みながら心がきりきり痛くなってくる。
けれど、恨み節でも、しゃかりきにがんばろう!という雰囲気でも決してなく辿りつくのは「仕方がない、やるしかないのだ」という言葉。
頭を上から押さえられたとしても、力でその手を振り切るのでも、泣いて逃げるのでもなく、じーっと上目遣いで相手の動向を伺いながらため息をつきつつ仕事をこなし、最後に最後に相手の腹に回し蹴りを入れて去るような、そんな爽快感。
けれど、そこに辿りつくまでの鬱々とした気持ちは痛いほどわかるし、社会の中での理不尽な扱いもきっと誰しも「あるある」と感じるからこそ、本の中に入り込んで一緒になって「やるしかないのだ」と思える。
読み終えたあと、頭のてっぺんから煙が出ているのではないかというほど体の芯から力が湧いて熱くなり、すすめてくれた店長に感謝した。
「仕方がない、やるしかないのだ」
この本に出会って以来、私は壁にぶつかるたび、本を読み直してはこの言葉を繰り返し呟いてまた拳を握り直すことにしている。
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くじけたっていいんだ、大丈夫だって思える本。
群ようこは出るべくして出た人なんだなぁって思う。
私には仕事を変えて泳いでいく勇気、ないもの。
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一気に読んだ。
群ようこの性格が良く分かって飾らない、頑張り過ぎない彼女にとても好感を持てたし、群ようこからみた椎名さんの仲間たちの様子がとても興味深く、楽しんで読んだ。
中でも、群ようこがやりたい放題の沢野さんに冷たくし、シュンとして帰った彼がいままでいた場所に残した「僕のこと嫌い?」のイラスト付きメモのエピソードは、憎めない彼の人柄が出ていて、とてもかわいらしくて笑ってしまった!
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「本の雑誌」を群ようこ視点で語られていて
椎名誠の「本の雑誌血風録」と合わせて読んだので楽しめた。
余計に本の雑誌自体を読んでみたい。
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執筆家としての「群ようこさん」ができるまでの自伝本的エッセイで
広告代理店から始まり、職を転々としながらどうやって
今の群さんが生まれたのかももちろん、昭和60年に書かれた本なので
ワタシがまだ子供で知らなかった大人の目線での60年を見れたのも
すごく興味深く、おもしろかった。
「本の雑誌」の熱心な読者から、働く側になった幸せと苦悩、
物書きとしての道を見出してくれた母的存在の西村かえでさんとの出逢い、
「群ようこ」というペンネームになったいきさつ。
群さんファンとしてはたまらないエピソードも満載でした♡
中盤までは苦しくて苦々しい会社でのエピソードが続くので
ちょっと読み進めるのがつらかったけど、広告代理店時代の電話応対で
「いつもお世話になっております」と「こんにちは」が
慌ててしまって、「いつもこんにちは」と言ってしまった
エピソードなど、群さんらしい軽快なテンポでタイムスリップした
昔の日本の背景も体験できて楽しい1冊でした。
「本の雑誌」もその当時の椎名誠さんの本も合わせて読んでみよう!
と新たな楽しみももらいました[*Ü*]
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群さんのOL時代を知ることができて面白かった。本の雑誌社の面々をwikiで調べて、「あぁ〜こんな人たちなんだぁ〜」と一度で二度楽しめた。
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図書館で借りたので、読んだのは単行本版。本の雑誌の目黒考二氏がお亡くなりになったので、関連本として読んでみた。本の雑誌草創期の目黒さんの様子が伝わり、感慨深いのであった。
本の前半で広告代理店の話がでてきて過酷な勤務状況が語られるが、当時はたいていそんなもんじゃなかったのかなあと思いました。どの世界でも代理業はつらいんだな。