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死ぬ事すら出来ない主人公。読んでいながら、「死は生命の最高の発明」と言った起業家の言葉を思い出した。
そういう話なのかと思っていたが、どうやら予備知識を持って読めば戦争を起こそうという勢力や政府に対する皮肉が満載らしいという事らしい。
何度も読み返したくなるわけではないが、忘れさられてはいけない作品だと思う。
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戦争の大義やら何やらというが、これが現実の世界であるといっているように思う。生きること、死ぬ権利など、いろんなことを考えさせられる。
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時々、己の最小単位というものについて話し合うことがある。
自分の右手の人差し指の爪は自分の一部だけれど、爪切りのあとは「自分の一部であった物」に変わってしまって、自分ではなくなる。これが指だったらどうか。腕全体だったら。半身だったら。
こうやって部位ごとに分けて考えていくと、頭や胸の部分が最後に残ることが多い。
つまり、心や精神のある部位が己の最小単位ということなりそうだ。
心こそコロコロと変わっていってしまうものなのに。
本書は、戦争によって、死ぬことのできない精神のみになってしまったジョニーの不幸を描いた作品。
ブルーハーツの名曲の歌詞の中に「ジョニーは戦場へ行った 僕はどこへ行くんだろう」という歌詞がある。その歌詞と同じタイトルの本があることを知ったのは高校時代。下校中に寄り道した古本屋で100円で売られていた。
興味はあったけど、当時の自分にはまだ読めないと思って先送りにしたまま、長い年月が経ってしまった。
そろそろ読んでみるか、と思って調べたら、絶版本なために中古でも2000円ほどで取引されていた。見つけたときに買っておかなかったことが悔やまれるが、図書館に所蔵されていたのでついに読むことができた。
そのうちもヴァージニア・ウルフにも手を出すときが来るのかもしれない(こちらもブルーハーツの名曲の歌詞中に出てくるので)。
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リーガルリリー「ジョニー」をきっかけに読了。
四肢も目も鼻も口も耳もない、でも生きているという、ある意味死よりも苦しい状況の中で、ジョーは時を数え、思い出を回想し、聖書を振り返る。
理解されないモールスを打ち続け、看護師からのMerry Christmas.
モールスがわかる軍の人間と思しき者から突き放す返信。
What you ask is against regulations.
この後に及んでジョーに規則などあろうか?
戦争を仕組む奴らを揶揄した展開と表現から、激しい反戦主張は至る所に散りばめられている。
それでも恐ろしいのは、自分が、ウクライナやパレスチナのニュースを見ながらも、この本から“劇”を観ている感覚しか出てこないことだ。
長く続く平和は戦争を非現実的なものとして軽視し、時がくれば合理的な手段として採用するのだろう。そういった時に、ジョーの想いを思い出せるだろうか。そのきっかけを掴んだだけでも、一読の価値はあったと言える。
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最後はバッドエンドだけど主人公途中まですごいポジティブやな…。自分ならモールス信号で送る文字は「殺してくれ」だっただろう。
映画もあるけど見たことはなくて、精神世界の出来事をどんな風に映像化したのか気になる。