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心があたたまる。今でも一年に一度くらいは開いてしまいます。正一を取り囲む、ほのぼのとした一昔前の微笑ましい日常。
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『しかし正一は、やりたくないとは言えない。どうしても言えない。その、言えないということが、「乾物屋の伜」というものなのだと、正一はうすぼんやりと感じていた。』こういう感覚を一度味わってみたかったと思うのは、家や墓や店のような、継ぐものがない気楽さから言えることなんだろうなあ、と。
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江州屋乾物店の一人息子「正一」の日々を描いた短編集(6作)。
良く出来た大衆文学に与えられる直木賞作品だがその雰囲気はない。
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職場の後輩が「この話が好きだったんです」と言っていたので、気になっていた本。読み始めるまで知らなかったが、今の高円寺を描いた話ではなくて、筆者が子供のころの話、戦後比較的間のないころの話。当時の雰囲気がよく伝わってくる、みんな大きなスーパーマーケットで買い物をするのではなくて、魚は魚屋へ、靴は靴屋に買いに行っていた時代の話。時代としては「三丁目の夕日」のころだろうか。そして筆者が子供時代の体験をそのままに綴っているあたりは「少年H」と雰囲気が似ている気がする。その世界に引き込まれ、読み終えてからもしばらくはその世界に取り囲まれている気分だった。