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紙の本
幻想の鉱物的質感
2002/07/23 05:25
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投稿者:あおい - この投稿者のレビュー一覧を見る
かつて本邦の若き幻想小説の書き手たちに「もっと幾何学的精神を!」と喝破した澁澤龍彦が、自作「犬狼都市」に自由に換骨奪胎した傑作「ダイアモンド」をふくむ著者の第三にして最高傑作たる短編集。
初期の前衛的な装飾過剰の文章から明晰で硬質な文体に、ほとんどあっけないように配置されるバロック的な意匠が緊密に練り上げられた短篇群は、著者自身が会心作とも言う前述の作品のようにまるで宝石のような質感があって、これぞ完成された短編小説だと嘆息せずにはいられない。特に僕がオススメするのは悪夢的な「南米人」が登場する表題作で、のちに長編小説の中でやや自堕落とも思えるようなかたちで描かれ続ける「少女凌辱」のモチーフが、その流れるような茫洋とした雰囲気そのものを結晶化しているような趣がある。
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