紙の本
心温まる物語がたくさん
2024/04/05 18:28
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投稿者:BB - この投稿者のレビュー一覧を見る
著名作家による心温まる短編が集められた一冊。新美南吉をはじめ、まどみちおさんや阪田寛夫さんといった教科書にも登場する児童文学の星ともいえる筆者が並ぶ。筒井康隆さんも入っている。気に入ったのは村中李衣さんの「りんごさん」。
祖父母の老いを、孫の視点から描いた児童文学は数あれど、この自然な感じは、子どもはもちろん大人が読んでもじーんとくる。
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好きだからいじめる。威張りたいからいじめる。仲良しが喧嘩になる。がまんの限界で喧嘩になる。いじめっこといじめられっこが喧嘩になる。口喧嘩。自分と自分との喧嘩。しょっちゅう言い合いをしていうのに、本当は仲がいい、そんな喧嘩。けんかをして、相手をぎゃふんといわせたい。けんかをした後は、むしゃくしゃした気分が晴れるような、ほんわりとした作品が読みたい。
◎けんかして(詩) 高木あきこ
◎一つが二つ 小沢正
きつねが、一つのものを二つにふやす機会を発明した。動物たちは感心して機械の周りに集まり、りんごや、にんじんなどの自分の好きなものを二つにふやしてもらった。トラのトラゴロウは「ぼくを二匹に増やしてもらおう。そうすれば、ぼくが竹藪の中で昼寝をしているあいだに、もう一匹のぼくににくまんじゅうをさがしてもらったりできて、とても便利だもん。」と言い出し、機械の中に入る。見事二匹に増えたトラゴロウだが・・。
こんなお話、ドラえもんにもあったような?のび太が自分が楽をするために、ドラえもんの道具で自分の分身を作ってもらうお話。
そりゃうまくいかないよね、なまけものの自分が二人に増えるんだもん(笑)
◎はじめてのキャンプ
おけらのシローと、かたつむりのダットンと、みみずのピッピが夏にキャンプ場へ出かける。
しかしみんな足が遅くて遅くて遅くて・・・
イライラするおけら、落ち込み泣きだすカタツムリとみみず、悪いことを言ってしまったと反省しつつ、そう簡単には謝れない気持ち。でも相手があっさりと降参し謝ってきたら、なんか一言ちょっと言いたくなるのが人情・・。喧嘩をした時のいろんな感情と、喧嘩しているのになんだかのほほんとしてみえる3人組と、くすっと笑ってしまうお話が良い。
◎神様と仏様 筒井康隆
神様と仏さまの、人間への八つ当たり 笑
えーそんなオチー!?と笑ってしまう、筒井康隆ショートショート。