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小林先生の本と言うことで、双対幾何の最初の本として読み始めました。
曲面と曲線の幾何学同様、読み手のレベルをしっかり想定して、しっかり最後まで読みとおせるよう話の取捨選択が絶妙です。
というか、本題からそれると証明やこ難しい話はどしどし「これ以上立ち入らない」ことにされて、読む方の気が楽になります。
射影幾何とか、微分幾何のさわりがわかっていると、ハハーンとうなづけます。
日本評論社のHPにある目次は以下の通り
第1章 Euclidの幾何
1 Euclidの公理
2 平行線の公準なしで何が言えるか
3 Euclidの48の命題
第2章 非Euclidの幾何
1 平行線の公準を証明する試み
2 双曲幾何の発見
3 複比、一次変換、反転
4 Poincareのモデル
5 双曲幾何の三角法
6 PoincareのモデルとKleinのモデル
第3章 Riemann幾何としての双曲幾何
1 球面の第一基本形式
2 Poincare計量と測地線
3 KleinのモデルのRiemann計量
4 擬球
5 曲率とその積分
第4章 Hilbertの幾何
1 Hirbertの距離
2 Hirbert距離の一般化
3 射影危機からの準備
4 Hilbertの第四問題
3章までは『曲面と曲線の微分幾何』を読了していたので、理解できたのですが、4章はなんだかもやっとした感じが残ります。射影幾何についてなれていないのと、測度論を避けて説明しているのでぼんやりした感じがのこります。
合せて家にある双曲幾何関連の本も眺めてみました。
1.岩波書店 『双曲幾何』 深谷賢治著
http://booklog.jp/item/1/4000068822
2.サイエンス社 『双曲幾何学入門―線形代数の応用』 中岡稔著
http://booklog.jp/item/1/4781906885
3.培風館 『双曲幾何学への招待―複素数で視る』 谷口雅彦 奥村善英著
http://booklog.jp/item/1/4563002429
4.講談社ブルーバックス 『非ユークリッド幾何の世界―幾何学の原点をさぐる』 寺阪英孝著
http://booklog.jp/item/1/4061179128
5.ちくま学芸文庫 『新幾何学思想史』 近藤洋逸著
http://booklog.jp/item/1/4480091637