投稿元:![ブクログ](//image.honto.jp/library/img/pc/logo_booklog.png)
レビューを見る
ふ〜っ、疲れた・・
ポケミスで450ページ超、二段組ピッシリの文字の洪水の中で、幾度も断念しそうになりながらのやっとの読了。
一言で言えば重苦しい。よく言えば重厚。イギリスの低く垂れ込めたどんよりした空を思わせる小説でした。
ミステリーとしては、冒頭の連続殺人鬼の話が呆気ない幕切れで肩透かしを食っていると、そこからが本番で一つの殺人事件をめぐる話が急展開を始める。その過程でなんとも複雑な人間関係が展開されていく。正直読み進めるのにかなり体力を使いました。
本書はかれこれ30年前以上の作品であるが、原発がその舞台になっている。解説の中で、作者の原発観として、''何か間違いの起こる可能性のある事は、いつの日か必ず起こることになるという、半ば迷信的な考えを持っている。原子力発電所の場合その結果は大惨事ということになります。''と述べています。けだし名言で、3.11予見しているみたいです。
また長丁場の展開の中で、唐突に作中に国際謀略小説のノリの挿話が挟まれるが、個人的にはこの部分は要らないかなと感じた。取ってつけた様で違和感が拭いきれなかった。