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紙の本
読む度画が頭に構築されて行く
2004/09/24 20:36
2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:美以仁 - この投稿者のレビュー一覧を見る
この本は小学生の時にも一度よんだことがあるのですが、その時はただの童話短編集というような印象しか受けませんでした。あれからおよそ10年経ってみて改めてじっくり読んでみたら、1つ1つの物語に深く感銘を受けました。1編2〜3ページと短い物ですが、どの話にも現代社会に疲れた我々の心の奥深くに訴えかけて来る神秘性を持っています。
私は語り手の月にキャラクター的な要素を加えず、世界の現実を客観的に映し出す鏡のような存在として描かれていることこそが、この物語を「大人の童話」と言わしめる所以だと思います。
紙の本
心は見る
2001/03/05 07:58
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:Kyowya - この投稿者のレビュー一覧を見る
「さぁ、絵にしてごらん」雲のない夜、月は貧しい書生に語る。草原を、海を、今は亡き街を。命を謳う少女を、破れた恋に嗤う男を。愛しく、哀しく、美しい物語を。
紙の本
大人に捧げる絵本
2002/12/18 17:54
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:葉月 - この投稿者のレビュー一覧を見る
「絵のない絵本」
なんとも上手いタイトルをつけたものだ。
まずそのことに感心する。
題が指し示す通り、これは文字によって描かれた絵本である。
“蓮の花が流れる水の上に休らうように、ふるえながら花婿の胸に頭をもたれさせ”る花嫁。
この一文だけで、花嫁の恥じらい、喜び、美しさ、そんなものが伝わってくる。
無駄を省いた短い文章の中にも、その情景を詩情豊かに色彩濃く描いており、まるで妖精の紡ぐ子守唄を聴いているような、タッチ柔らかな幻想画を見つめているような、そんな感懐を抱かせる。
物語を愛する人ならば、誰しもが空想の海に遊ぶ心地よさを知っている。
この本は、その手伝いをしているに過ぎない。
寝具にゆったりと体を横たえ、一日に一夜ずつ、夢の海にたゆたう己を実感しながら、言葉一つ一つを味わいながら読む。
それがわたしのお勧めする、この本の楽しみ方だ。
忙しい毎日に疲れた大人たちにとって、それは一日でもっとも贅沢な時間になるだろう。