紙の本
二度・三度と読むうちに…
2002/04/30 12:46
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:麒麟 - この投稿者のレビュー一覧を見る
初めて「N・P」を読んだときは少しショックでした。
それまでの吉本ばなな作品のように、読んだ後にすぐに心に響いてくるような、は〜っと(良い意味での)溜息をつきたくなるような、そんな読後感がなかったから。
でも、そのまま捨ててしまうには、何か惜しいような気がして、それから何度か読み返しました。
冴えない日本人作家がアメリカで書いた「N・P」という小説。小説の日本語訳にかかわった人が三人も自殺している呪われた本。
「N・P」というタイトルが、私の中にも刻み込まれて、本棚に戻してはまた読むということをくり返してしまいました。
すると、これが、読むたびに、じわりじわりと吉本さんの言葉が染み込んでくるから不思議です(一度で読み取れない私の読書力不足かもしれませんが)。
作中の「N・P」のように妖しい魅力があるのかなんなのか、私がずっと手放せないでいる一冊です。
紙の本
謎だらけ。
2001/09/30 23:57
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:タキレイ - この投稿者のレビュー一覧を見る
最初は「N・P」って何だよ!? と思ったけれど、読み進んで行くうちに解けて行く謎の一つ一つが切なくて、寂しくて…。でも最後は絶対どんな形でも幸せになってくれるところが彼女の作品の良いところだと思う。
投稿元:
レビューを見る
夏のまとわりつくような空気の感じとか、砂浜の夏の名残とか、肌で感じられるような美しい作品だと思います。装丁もまたよかったなあ。
投稿元:
レビューを見る
特に夏に読むのがおすすめです。テーマ自体は重いものですが夏にしかできないことがここにある!夏好きにはたまらん世界です。
投稿元:
レビューを見る
こういうのが吉本ばななであルって感じです。
N・Pっていう小説を巡る不思議な話。
別にそこに何かあるのかといわれたらそうではないんですが、ばななの世界感がここにはありました。
こういう作品また書いて欲しいです。
ツグミ越える勢いで好きです。
投稿元:
レビューを見る
再読なのにすっかり内容を忘れていた・・・。語っていることはドロドロなのに、出てくる人のおかげかものすごくさっぱり。読んでいると影響されて、嫌いな夏が少し待ち遠しくなった。
投稿元:
レビューを見る
「夏が来る前に読んだら絶対その夏の過ごし方が変わる!気がする!」と思ってたままほっぽっていましたが、この暑い夏の最中に読むとまさにドンピシャ!移り変わっていく物事を受け止めるのは簡単なことではないとしても、それでも、その先にも必ずある何か。「死」を思うのはどんな時なんかなぁ?人がいるって、すごいことだな。それをいろいろいろと思うことがあっても…でもそれは紛れもなく、幸せのひとつだ。
投稿元:
レビューを見る
夏休みに読んで大正解でした。一気に読ませるのは流石ばななさんだなぁと。昼ドラっぽい内容でもあるのに爽やかな感じがするし、ゆるやかな終わり方も素敵だと思いました。
投稿元:
レビューを見る
よくもわるくも「よしもとばなな」が凝縮されている作品。誰にでも書けそうで、彼女にしか書けない。命の螺旋階段をのぼる、のぼる、のぼる。くだる、くだる、くだる。
投稿元:
レビューを見る
この人の文章を読むと「しんとしてる」といつも感じます。色んなことが起きたり起きなかったり、直面したことが大きかったり小さかったり様々だけれど、静かで穏やかな文章だなって思います。でも、この本は私には難しいです。
投稿元:
レビューを見る
狂おしいな。
生きていくと、自分自身をだんだんと制限していく。外的な制限と内的な制限。
きっと、それが自分で、生まれたことや、死ぬことの一連の流れの中で決まりきったことはない、選べないようで選べること、を選べずに生きている。
カラマーゾフ的低俗な血。みたいなものも案外、生まれてから作られていくものだろう。
結局、どう生きられるか、で、自分ってこと、かな。
こっちにももうすぐ夏がきます。
美しい、と感じ続けていたい。
投稿元:
レビューを見る
何度 読んだことか。
何度 読んでも いつも 素敵な気持ちになります。
ちょっと 切ないけれど・・・。
投稿元:
レビューを見る
とある登場人物の最後の選択にどうしても納得がいかない。
こみいった事情で、宿した生命をどうするかで結局産む方向で行くような流れではあるけれど、その人物が書いた手記で「いざとなったら堕す」みたいなことがさらっと書かれすぎているようにどうしても感じてしまい、小説とは言え嫌悪感を感じてしまった…。
頭が硬いのかなぁ…。
投稿元:
レビューを見る
高校時代に読んで、この作家さんとお付き合いしたいとまで
ほれ込んだあとで、ほんとに申し訳ないが
「おやじさんそっくりじゃんか・・・」と彼女のルックスを
頭から消去しようとした思い出があります。
しかし、この小説はすごい大好き。これが好きな女性を
見かけると、ちょっとカフェとか誘いたくなります。
投稿元:
レビューを見る
ほぼ毎年、梅雨明けが近づくと読みたくなる大切な一冊。
梅雨時には『哀しい予感』を読んでからというのが、わたしにとっての風物詩。
陽に晒されるショートパンツの太腿や、夜中の散歩中に飲む自販機の麦茶。
細部が自分の思い出のように体に沁み込んでいる。