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紙の本
真の途上国援助とは?
2004/07/06 18:30
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:桑畑三十郎 - この投稿者のレビュー一覧を見る
「はじめに」に書かれているように、実際に途上国援助に関わったことがある人なら誰でも、「われわれは本当にこの国の人々に役立っているのだろうか。われわれの技術は実際に進歩をもたらしたのだろうか。これが“開発”なのか。」という疑問を持ったことがあるだろう。この本はそういう疑問に答えるためのよいヒントを与えてくれる。
開発=人々の間における権力のより平等な分配
と、まず定義し、開発援助の考え方を具体例を挙げながら説明している。
悪い例としては、2章で述べられているある漁村の話である。ここでは週2回だけ漁に出て、後はのんびりと暮らしていた。そこに先進国の専門家が来て、これではいかんと漁民のひとりにモーターバイクを買うように仕向けた。すると他の漁民もバイクを欲しがり、現金を得るため毎日漁に出るようになった。たしかにGNPの数字には貢献するが、漁業資源を枯渇させ、街にバイクを増やすのみである。これでは本当に役立っているとはいえない。
また途上国援助のプロジェクト予算の半分は先進国の専門家の給料に消えている場合も多いとか。全く誰のための援助なのだろうか。
8章で述べられている、「大多数のヨーロッパ人は低開発国での滞在中は際立って権威主義的になる」というところも考えさせられる。私も実際に2年間アフリカで教師をした経験があり、その間たしかに権威主義的に徐々にアフリカ人を見下すようになった。油断すると物を盗もうとするハウスキーパー、カンニングばかりする生徒と人間不信になり、彼等になめられないようにいつもいばっていた。そういう生活はかなりストレスがたまった。国際協力はまったくきれいごとだけではすまされない。
これから途上国援助を目指す若者には是非読んでほしい。
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