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☆彡日本の歴史全般におけるトピックエッセイ
〈概要〉
日本の歴史をよみなおす
・はじめに
・文字について
村・町の成立 遺跡の発掘から
・貨幣と商業・金融
神仏、天皇の直属民/聖なるものから世俗のものへ
・畏怖と賤視
古代の差別/悲田院の人びと/ケガレの問題/「非人」の出現とその仕事/特異な力への畏れ/神仏に直属する「非人」/河原者/放免/童名を名乗る人たち/聖別から卑賤視へ/差別の信仰/東日本と西日本の相違
・天皇と「日本」の国号
天皇という称号/「日本」という国号の歴史/天皇の二つの顔/日本列島には複数の国家があった/天皇家の危機
・あとがき
続・日本の歴史をよみなおす
・はじめに
・海からみた日本列島
日本は孤立した島国か/縄文文化/弥生文化/西と東の文化の差/周囲の地域との交流関係/「日本国」の誕生/「日本国」の範囲/海の交通と租税の請負
・あとがき
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時代が下るにつれて、非人の扱われ方が変わっていく過程が興味深い。
生きるための行いは全て神聖だ、という考え方は好きだ。
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目から鱗。どうしても歴史上の出来事は現代のフィルターをとおして、見てしまいがち。しかし、本書のように当時の背景、価値体系を露わにして、見えてくるものが現在と違うことを味わうのは、異文化交流にも似て、興味深い。賤民について、もともとは神に連なる人だったなど。
・片仮名は口頭で語られることばを表現した。起請文、裁判記録など。
・和同開珎は一種の呪術的な意味を持った使われ方もしれいる。
・利銭、利息は神物、仏物の貸出として、始まっている。
・「無縁所」という寺院は、財政的に弱くなく、商業や金融で儲けていた。
・フロイス:16世紀。女性が西洋と違って、日本は奔放、力強かった。
・鎌倉時代、女性が所領を持ち、譲渡、売買をしていた。室町から不動産の面で多少弱くなるが、動産については財産権を持っていた。
・平安時代から地名を苗字として名乗る習慣が広がるが、豊臣秀吉も豊臣は天皇から与えられた形になっている。その意味で、ルーツをさぐるとみな天皇になってしまう。
・日本という国名は中国からみて定着した。天皇も。
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P141
「14世紀のころ、人間と自然とのかかわり方に大きな変化があり、社会がいわばより「文明化」してくる、それとともに「穢れ」に対する畏怖感はうしろに退いて、むしろ「汚穢」、きたなく、よごれたもの、忌避すべきものとする、現在の常識的な穢れにちかい感覚に変わってくると思います。
動物に対しても同様で、人の力でたやすく統御できない力をもった生き物とう感覚がうすれて、「畜生」「四つ足」といういい方すら(略)。」
上の文章や非人のひとつ、「犬神人」がもろに『もののけ姫』。
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この作者の一大テーマである「中世に失われた神聖性と穢れ」についてさまざまな角度から読み解いた本。殆どは他の本にも書いてあることだが、日本の定義がいつからなのかについての考察は面白かった。