紙の本
さすがキング…
2005/11/10 15:37
5人中、5人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:yu-I - この投稿者のレビュー一覧を見る
ロブ・ライナー監督で映画化もされており、超有名な作品。
しかし何冊にも渡る大長編を次々発表しているキングの作品にしては、一冊きりできれいにまとまっているし、監禁モノで動きも少なくちょっと地味かなあ、などとも思われるのだが。
実は、すごいことをやっている。
監禁モノの心理サスペンスである。
自動車事故で半身不随になった流行作家であるポールが、元看護婦の愛読者に助けられ…たかと思いきやそのまま監禁され、「私一人のために小説を書け」と強要される。手を抜いていい加減なものを書いたり、逃げ出そうとすれば残酷な罰が与えられる。ポールは無事逃げおおせることができるのだろうか…?
主な登場人物は二人だけである。監禁する者と、監禁される者。そして監禁という設定上、舞台もほとんど一つの部屋から動かない。
それで、長編一本読ませてしまう。
それも息詰まるほどの恐怖とスリルでもって、ページを繰る手を止めさせない。
「すごいことをやっている」と書いたのは、そういう意味である。
人気作家がファンに監禁される恐怖、というテーマから、しばしば「キングが自分自身の恐怖を書いた作品」などと言われるが、その是非をさておくとしても、エンターテイメントとしてめっぽう面白い。
やはりキングの小説技術にはつくづく驚かされる。
そんな超人的な想像力と筆力を持つストーリーテラーであるキングだからこそ、このようなシンプルな物語を傑作たらしめたのであろう。
さすがキング…である。
紙の本
迫り来る恐怖
2001/08/09 16:59
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:かずの - この投稿者のレビュー一覧を見る
恐怖に蝕まれていくような思いをしました。以前映画も見たのですが、映画よりもはるかに怖い。限度を超えたファン心理。次に何が起こるか分からない狂気が、そこかしこに溢れています。
文章の持つ魔力にひきつけられて、「怖い、もう読みたくない」と思いつつも最後まで一気に読んでしまいました。後味はあまり良くありませんが、怖さを求める方にはお薦めです。
投稿元:
レビューを見る
怖い話です。映画化されているけれど、まだ映画は観ていない。いつか、もう少し小説を堪能してから観たい。
投稿元:
レビューを見る
交通事故を起こした瀕死の作家を救ったのは、彼の作品のあまりにも熱狂的な女性ファンだった。彼女は彼に自分だけの為の作品を書く事を要求する…。描写がかなり肉体的に来ます。いてっ。いてっ。
投稿元:
レビューを見る
これは怖いですねーアレです。あのーずっとベッドで寝たきり状態みたいな設定好きなんでこれ好きです。「自分だと・・」って思うといろいろ考えて更に怖くなる。映画にもなってるみたいなんで見てみたいなぁ。
投稿元:
レビューを見る
人間って怖い、ということを叩き込まれる一冊。気づいたらとんでもないことになっていた、という点で主人公の気の毒さ倍増。ファンだという男にサインしたキング、その男が後日ジョン・レノンを撃った、という彼自身の体験した恐怖がさらにリアリティを生んでいる気がする。
投稿元:
レビューを見る
1990年(平成2年)
第63回アカデミー賞/
★主演女優賞:キャシー・ベイツ / 出演:ジェイムズ・カーン、ローレン・バコール、リチャード・ファーンズワース、フランセス・スターンヘイゲン / 原作:スティーヴン・キング / 脚本: ウィリアム・ゴールドマン / 製作: アンドリュー・シェインマン / 製作・監督: ロブ・ライナー / (原作本)
投稿元:
レビューを見る
キングはどれを読んでも面白いですがこれが一番圧倒されたかなあ……小説家がストーカーに監禁されるという話で、ほとんど一部屋だけを舞台に、これほど長い本を息もつかせず読ませるというだけでとにかく凄い。
投稿元:
レビューを見る
キャシー・ベイツの怪演が話題となった同名映画の原作。原作も面白怖いのですが、やっぱり映像のあのイメージが強力すぎる。キング原作にしては珍しく映画≧原作となっている感じ。
投稿元:
レビューを見る
高校生の頃に、初めて読んだキング作品。読みながらキャーキャー悲鳴をあげてしまうくらい、描写がすごい!これがきっかけでキングを読むようになった。
投稿元:
レビューを見る
外国人のホラーも文字にすると怖いのね。父親に薦められて読んだんだけど、娘に薦める内容じゃないのは確かだ。(桐切)
投稿元:
レビューを見る
同じようなことが何回も何回も繰り返しで書かれているような気分になり、中盤あたりまで読み進めるのがしんどかった。でも中盤からはこの小説のリズムに慣れたのか、アニーに対する主人公の精神状態を読むのが、なんというか楽しくなってきた。ただ恐怖を感じて痛い目を見ているだけでなく、頭を使いながら必死にアニーに反抗していく様子が丁寧に描かれているのが良い。アニーに一方的にやられているだけだったら、きっと最後まで読めていなかった。辛すぎて読むのが苦しくなっていたに違いない。この作品にはホラー作品に感じる恐怖ではなく、虐待の話を読むような息苦しさを感じたので、主人公が反抗していくのが嬉しくて。
投稿元:
レビューを見る
これが一番ってわけでもないけど、Sキングは沢山読んでて、とりあえず。映画もネットで調べてレンタル屋をハシゴしたり。ホラーホラーしてるより、サスペンスホラーのがいいな。超能力がどうのも別にいいやーやっぱアメリカの空気や設定や細かさが日常感が生活感が考え方が。とにかく色々つまっているし映画もそのあと見れるし、悪い所はないのに。
投稿元:
レビューを見る
あらすじー大衆向けのシリーズ小説「ミザリー」で一躍ミリオンセラー作家になったポール・シェルドンは、自分の作品にほどほど嫌気がさしていた。ポールは、本当に書きたかった現代小説にとりかかるために、主人公「ミザリー」に美しい死を与えてシリーズを終わらせてしまった。山荘にこもり、とうとう出来上がった新作を出版者に届けるために車を走らせていたポールは、嵐の中で崖から転落してしまう。しかし付近に住む元看護婦のアニーに救われ、奇跡的に命をとりとめる。昏睡している間にポールの身分を知った彼女は狂喜する。アニーは小説「ミザリー」の熱狂的なファンだったのだ。しかし小説の主人公が最終章で死を迎えたことを知ったアニーは逆上する。ポールに主人公は死んでいなかったという続編を書かせるために異常なファン心理とサデイズムによって監禁し、数々の拷問を加えるのであった。
無理やり「ミザリーの生還」をポールに書かせようとするアニーだが、ポールが書く不真面目なトリックに怒り狂い、気に入らない言葉には狂気的な癇癪を起こす。いつ爆発するかわからないアニーだが、しかしある時は子供をあやす母のようなしぐさでポールに話し掛け、またある時は乙女のような純粋さをポールに示す。そして、アニーが実は何人もの人間を殺した精神異常者とわかったポールは、何とか脱出を謀ろうとするのだが…
映画化小説で映画に負けている作品。やはり映画はキャシーベイツが秀逸だったもんね。
ポール・シェルドンって●ドニー・●ェルダンだよね・・・多分。
主人公が身動き出来なく、気が触れた人間に頼るしかないという状況がそれだけで「ウマイ」と思わせます。
あとがきが非常に興味深い内容だったことも印象に残りました。
投稿元:
レビューを見る
キング自身の感じたであろう恐怖を元にした話。キングらしい細部の書き込みが恐怖を盛り上げる。本当に怖いのは人間なんだなぁ。