投稿元:
レビューを見る
折口信夫がゲイであっても別に驚かないけれども、「黒いふんどし」は
恐怖だった。かつての弟子の怨念のこもった伝記、というか告発。
投稿元:
レビューを見る
学生時代、折口信夫について調べていた時にぶち当たりました。民俗学のえらい人ぐらいの認識しかなかったのに、読み終わる頃には変・・・えらい変わった人という認識に変わりました。折口先生の弟子に対するムチャ振りがおもしろすぎます。
投稿元:
レビューを見る
折口先生がそういう(…)方とはつゆ知らず読み始めたものだから、途中からアレッ…アレ…???ってなりました。
古本屋で気まぐれに手に取った本だったのですが、自分はどうしてこれを引き当てたものか。
折口先生…なんとも癖があって強烈な方だ…うん…
尊敬と軽蔑とを同居させてなお先生のそばから離れることのならない「弟子」であり続ける筆者が、はじめは苦悩しながらも次第に先生の扱いを覚えていく感じは何ともいえませんでした。
それにしても読んでる間中ずっとはらはらさせられた…先生が次は何をやらかすのかと思って…(笑)
投稿元:
レビューを見る
稀代の大学者・歌人より執拗なセクハラを受けつつも呪術的ともいえる折口の魅力に抗えず、弟子として長らく仕えた歌人の回想。
「柳田先生のおっしゃった意味は、ぼくには良くわからないけれど、師弟というものは、そこまでゆかないと、完全ではないのだ。単に師匠の学説をうけつぐと言うのでは、功利的なことになってしまう」
折口が同性愛者であったことは間違いないのだが、何かの継承、つながりというものを重視する彼の考えからして、上記のように功利的以上の証としての肉体関係という意味合いはあったのだろう。
しかし、柳田国男が「牝鶏になっちゃいけませんよ」と釘を差していることからも明瞭なように、端から見れば、やはりただのセクハラでしかない。実際、作者も耐えきれずに逃げるわけだし。
折口の性格、性癖をみごとに活写することで、同時に同性愛セクハラ・アカハラを描いたと作品ともいえる。折口信夫に興味がなくとも十分に楽しめる一冊。