紙の本
かすかにいいにおいがしました
2009/10/12 10:12
2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:みどりのひかり - この投稿者のレビュー一覧を見る
この絵本は文章と絵が協力し合って、この世界の奥深くにある交響曲を奏でるかのように、物語を紡ぎ出しています。
特攻機に乗って出撃する前の日にすみれの花で相撲をして、毛布の中を花だらけにして寝てしまうのです。
「かすかにいいにおいがしました。いま、出撃の号令がかかりました。みなさん、ありがとう。ゆうべはほんとうにたのしい夜でした。いつまでもお元気で。サヨーナラ。」
手紙を、すみれを届けてくれた小学校の子供たちに残し飛び立っていきました。
悲しく切ない物語なのですが美しいものがあって、思わず涙が出てしまいます。
私はこの本を3年前に一度読んでいたのですが、覚えていた絵は、ふとんの上をれんげの花でいっぱいにしたところだけでした。(本当は毛布なのですが、ふとんと思っていました)この絵だけが強烈にイメージとして残っていたのです。忘れていた絵も今見ると、物語の展開に沿ってみごとに描かれているのです。これは、絵を描いた松永禎郎さんにとっても、文を書いた今西祐行さんにとっても、生涯を代表する忘れられない作品となったことでしょう。
「戦艦大和の最期」にリンクを張りましたのでこちらもご覧下さい
戦艦大和ノ最期_講談社文芸文庫
戦艦大和_改版_角川文庫
***紹介したい本、詩***
浄土三部経と
こちらと
こちらと
こちら
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昭和20年 春の事です。
九州の南の端に近い海辺に
小さな小学校がありました。
その小学校の真上を
日の丸の旗を付けた飛行機が
飛び交うようになりました。
こども達は
飛行機が見えるたびに
「ばんざぁ〜っい」って
手を振るのです。
この飛行機たちは
片道の燃料だけしか持たないで
爆弾とともに
敵の軍艦に突入する
特攻機である事を
先生たちは知っていました。
でも、こども達は
飛行機が飛んで来てくれる事を
喜んでいて
航空隊へ手紙を書いたり
絵を描いたりして
届けていた。
ある日、1人の女の子が
野原のすみれを花束にしたら…
提案をし、
早速、すみれの花束を贈った。
しばらくして
航空隊から、返事の手紙が来た。
先生は、涙を流しなから
その手紙を読み
飛行機の本当のわけを
子どもたちに話した。
子どもたちは
野原のすみれが無くなるまで
花束を航空隊へ贈った。
いく機の特攻機が
子どもたちのすみれを持って
南の海にちっていった事か…。
戦争が終わって
しばらくした時。
南の小さな無人島のヒトツに
いつからか、
島一面に
すみれの花が
咲くようになった…
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毎年夏には最低一冊、戦争や平和について描かれた絵本を読み聞かせしています。
もしも子供に‘特攻隊って何?’とたずねられたら、説明するのに丁度良い絵本だと思いました。
子供達の無邪気さと、特攻隊の厳しい現実の対比がとても胸にしみいるお話。
戦争のお話ですが怖ろしい表現もおどろおどろしい絵もないので、特に低学年には安心して読める。
言葉も絵も、全体的に美しく、でもその美しさゆえに、より静かな悲しみをさそいます。
1年生の子供は、「悲しいね・・・」と読んだ後の感想です。
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今西祐行さんが、特攻花について書かれたのを知ることができてよかったです。
泣かずに読めるか自信ないですけど、子どもたちにも知ってもらいたいと思います。
4年教科書
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戦中の特攻隊をあらわした本。3年生に読みました。フィクションとノンフィクションの間に悩みますが、この年代にはわかりやすいようです。
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長女からすすめられて長男に読み聞かせ、途中で泣いてしまった。今年の夏休みに鹿児島の知覧のそばを通ったので、子供達に特攻隊の話をしていた。娘は覚えていた様子。片道だけの燃料はつらすぎる。すみれの花で浮かんだ故郷の様子のページが心に残った。
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6年生に読み聞かせ。
ちょうど国語で「ヒロシマのうた」をやっていたのでそれに合わせて。
特攻隊のおはなしです。忘れてはいけないことですね。
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【経緯】
なんとなく手に取って
【書き出し】
九州の南のはしにちかい海辺に、小さな学校があった。昭和二十年、春のこと、いつからか、まいにちのように、日の丸をつけた飛行機ぐ、その学校の真上を飛ぶようになった。
【感想】
特攻隊の本だとは思いもしないで手に取ったのでショックが大きかった…
夏になると戦争もののスペシャル番組をよく見かけて、「もういいよー」という声を聞くのもまた事実だけど、やっぱり忘れちゃあかんし、定期的にこういうの見て思い出さなあかんと思った
【引用】
「何時間かの後に確実に死ななければならないと分かったとき、人は何を考え、何を想うだろう。人は非日常に出会ってはじめて日常のすばらしさ、美しさを知る。特攻機に乗っていきはてた若者たちは、せめて最期に、平和の素晴らしさ、美しさを知って逝ったと私は思いたくて、この作品を書いた」
【絵】
24ページの赤い地面とスミレの対比が印象的
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読み聞かせ推奨図書に入っていたので読んでみた。辛すぎて読めない。でも、語っていかないと、子どもたちは知らずに育ってしまう。大人として伝える責任を思う。
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[墨田区図書館]
戦時中、特攻隊に贈られたすみれの花束からこぼれた種から、南の無人島にすみれが咲いている、という話。
だけれど、この本はその結末やその話自体が本当かどうか、というよりも、無邪気に飛行機に手を振っている戦時中の小学生が、がんばっている飛行機乗りにすみれの花束をプレゼントしよう、という他意のない優しさが、それを受けた特攻隊という特殊部隊の兵隊からの手紙を教室の先生が読み伝えるくだりが真髄だと思う。
戦争反対とか、特攻隊の人がかわいそうとか、思う気持ちは人それぞれだとしても、日本人として前提知識と予想をもってこの本を読むことが出来て、先生の読み伝える下りで胸が痛くなれるように育ってほしいな。
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6年生への読み聞かせ本を探していて読んでみた。
戦争の話。読み聞かせに使うことはない。
裏表紙のカバーより
「声高に戦争反対を叫ぶのでなく、静かに、子どもたちに平和の重さ、いのちの尊さを語りつぐ絵本です」
特攻隊の若者も、学校の生徒たちも先生も、皆が優しく懸命に生きていたのだなと、しみじみ感じた。
すみれの花の絵が美しい。
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「その日から、子どもたちは、野原にすみれの花がなくなるまで、
花たばをつくって、おくりつづけたのであった」
日本人にとって、沖縄とは何なのだろう。訪ねたからこそ、わかる。美しい海、土、鮮やかな花、沖縄が見てきた悲しみは計り知れない。そんな歴史も、文化も、私は好き、沖縄が好き。すみれ島、ここで起きたこと、いま起きていること、大切に。大切に。(7分)#絵本 #絵本が好きな人と繋がりたい #すみれ島 #今西祐行 #松永禎郎 #偕成社
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子どもたちが特攻隊員に贈ったすみれの花束。それは、隊員たちを束の間癒やし、名もなき無人島に散る。そして、花を咲かせる。その島は「すみれ島」と呼ばれるようになる。
特攻花のエピソードを基に書かれた絵本。悲しいが、美しい話でもある。平和や命の尊さを静かに伝えている。
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再読。特攻花について聞いた話をもとに書かれた平和の願いが込められた悲しくも美しい絵本。
特攻の出撃前夜に子供達から届いたすみれの花ですもうをする若者達。送られたすみれの花を持って南の海に散っていった若者達。途中で故障して誰にも知られずに海や島に墜落していった若者達。その時の若者達の気持ちを想像すると胸がいっぱいになってくる。悲しい出来事だがけっして忘れてはいけないと思った。