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紙の本

<深く広い脱線話の楽しみ>

2003/05/25 02:09

2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:まんでりん - この投稿者のレビュー一覧を見る

  大宮で人と待ち合わせたときに暇つぶしの読み物はないかとそごうの三省堂に立ち寄った。
  ふと目に入ったのが「落語から法哲学へ」というタイトルだった。
  私は上方落語が好きだ。
  落語家の書いた戦中記まで小学4年生くらいで読んでいたと記憶する。
  好きなものだから字が読めなくても読めてしまうのである。
  この戦中記は、その頃、九州へ一人旅したときに車内で読んだ。
  門司あたりまで大阪から7〜8時間はかかったからねえ。

  で、落語が一体どうして法哲学になるのか?
  著者は「怪しい法哲学者」長尾龍一である。
  アメリカ生活の苦労話を何かで読んだ記憶があり、これは良質な暇つぶしになると踏んだ。
  まずまず私の読みはあたった。
  この本を読むと「埒外に出ること」と「偶然の楽しさ」がよくわかる。

  なかでも「先祖の墓地VSゴルフ場」という話は面白かった。
  1990年インディアンと白人との間に銃撃戦が起こった。
  今もカナダ先住民は50万人、その代表が200以上いて、先住民の最高会議を形成していると言う。
  合衆国は、その成り立ちにおいて先住民の80%を虐殺し、彼らを欺いて一部の居留地に追いやることで決着をつけた。
  そういう因縁が今もなお残存している。
  (トマス・ペリー『蒸発請負人』(講談社文庫)からもそのことがうかがえる。)

  権力の交代にも凄惨な裏の駆け引きがあり、それが何百年も消えない。
  たとえば、徳川幕府は直接には室町幕府を継受している。
  織豊政権の残滓をことごとく討滅し破壊し尽くしたことは有名であるが、上州館林に直系親族を置いて足利への物資・情報の流れを絶ち、再興することのないようにとどめをさしたことはあまり知られていないようである。
  ために、あえて誤解を恐れずに言えば、いまだ足利は「寂れた」ままなのである。
  しかし、今となっては、里山などの多く残るこの地域はその現状を是非とも保存していて欲しいと私は思う。

  ずいぶん脱線したが、歴史上の因縁はそうおいそれとはなくならないことを言いたかった。
  この本は、いわば、脱線の連続で私にはそこが何より面白い。
  もちろん学者である著者は周到に話の裏をとってまわっているし、語り口にもいささか学者を意識したところもあるが、どこか懸命さのようなものが感じられて愛らしいのだ。
  広く浅くと言うが、これは偽りである。
  広いものは必ず深い。
  浅いものは必ず狭い。
  そう思う。
  この本はそう思わせてくれる。 

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