紙の本
資本主義の本質について
2015/11/06 06:24
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:誠之堂格 - この投稿者のレビュー一覧を見る
最初んのヴェニスの商人の資本論はわかりやすくかつ面白いが、そのほかの部分については専門的でわかりにくかった。ユダヤ教についても示唆に富んでいた。
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80年代のニューアカデミズム全盛時代の本です。80年代とはなんだったのか?論が最近ちらほらと目にするようになったので久しぶりに読んでみました。マルクスはとんだ・・・のくだりは今読んでも名言です。
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この本の中に「広告上の形而上学」という項目がある。
「?」と思う人が多いかもしれない。
これは、プリンがプリンであることは食べてからではないと分からない。
ということであるという。
詳しくは中身で。
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一般向けに岩井先生が書いたエッセイ集だけどどれもきわめて秀逸。目から鱗が落ちるとはこういうことを言うのだろう。経済に本源的に内在する不均衡、それを逆説的に安定させるヒト(労働市場)と利益動機で行動しない中央銀行の存在。彼のテーマである資本主義の本質である技術革新(シュムペーター動学)と昨今の信認の問題への萌芽を見ることができる。
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7/31
シェイクスピアがユダヤ人嫌いだったんじゃなくて、キリスト教には他者としてのユダヤ教が必要だった。
『ヴェニスの商人』を、貨幣の交換原則などから論じた(?)名著。
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日本を代表する経済学者、東京大学大学院経済学部教授、評論家、妻は作家の水村美苗・・・というのは著者の岩井克人さんのプロフィール。(最後は不要か?!でも、水村美苗さんも小林秀雄賞をとるほどの大物です!)
本書は、評論家デビュー作品。
これは1984年に書かれたもので、学生時代に読んだものの再読ですが、生彩を欠いていない、というより、益々輝いている、といったほうが正しい。ま、私の脳が少し成長したってだけかもしれませんが。
文学界を代表する名作も、世界的ヒット商品も、飛ぶ鳥を落とす勢いの業界も、岩井克人の手にかかれば、全てが「経済学」的に合理的に説明されてしまう。
この思考回路を追うだけで、脳トレになります。もちろん文章表現も余計な言葉ははぎとられており、刃物のような美しさ。アリストテレス、マルクス、アダム・スミス・、レヴィ・ストロース等、賢人達の名言の切り取り方、引用のタイミングも秀逸です。
「シェークスピアで経済する」「キャベツ人形で経済学する」「広告業界で経済する」・・・このギャップを跳び超える悦びは至福です!
読後、自分や友人の立ち位置を経済学してTALKするのも楽しそう♪
これ、意外と娯楽本かも。
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記号化や”貨幣”という得体の知れないモノを、当たり前の領域から引きずり下ろしてもう一度考えるきっかけになる本。とてもわかりやすく、記号媒介的な私たちの世界の孕む不気味な雰囲気を描いていると思う。
世界は記号で表象されている。そして計量されている。しかし、貨幣という数字が表象する”資本”はその現実の量とは関係なく際限なく増殖し続けるものだ。
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経済の中でのお金の役割とかのお話。前半のヴェニスの商人とかパンダの指をとりあげて説明すする部分までは、なんとなく理解できたフリはできたのだけど後半は全く歯が立たなかった。経済学を学んでる人じゃないとなかなか理解できないんじゃないのかな。難しい論文でした。おそらく内容は素晴らしいのだけど、難しすぎて評価低め。
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いつ読んだか忘れちゃった…
ヴェニスの商人に始まり、深く経済を説いていく。とても親しみやすくて楽しかった。
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昔(高校生の時)は四苦八苦しながら読んでた評論文だけど、少し大きくなってから、改めて通して読むと面白かった。なんでも経済学的に考えられて、それが思いもしない結論にたどり着く所が。
世の中の全ては、個々の「何に価値を見出すか」によって成り立ってるのね。
経済学の基礎知識を暗黙の了解とするような内容ばかりで、具体例が出てくる話以外は経済を全く学んでいない私には少し難しかった。
どこまでが「一般常識」で、どこからが「筆者の発想」なのか分からないし論理をひねくり回してる感…
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これもまた水野先生からの課題図書。
モーリス・ゴドリエさんの「経済人類学序説」でマルクスの貨幣論を勉強した後に持ってこられた。まったく、いつもタイミングがすごすぎる。
表題作の「ヴェニスの商人の資本論」はとても面白い謎解きになっていて、貨幣の資本主義における働きが何となく掴めるようなお話しである。おすすめ!
中盤は経済学のお話しがいろいろ続いて、なんだか一処にとどまり続ける息苦しさと行き詰まりを感じたのだけれども、最後まで読んで印象はひっくり返った。
最後の「十冊の本」という短いエッセイは、知と知識の違いを皮肉的に説明してあるようなお話しで、「本読んでるぞ~!」と思い上がっていた私の顔面にパンチを喰らわせてくれた。
日々毎日、その時その時に応じて「事」に当って応対していくというやり方と、実際にそのことに当たる前に事前に少しでも準備をしておいて、いざ!その「事」に対応するというやり方がある。万全の準備をしようとするとフレーム問題で全く身動きができなくなるのだけれども、全然準備をしていなければ、それはそれイチかバチかでとても危うい感じがする。しかし、どの程度の準備が適切かと考えてみてもちょっと即座には答えが出ない。案外なにも準備すること無くその場で対応したほうがうまく行ったりするのかも知れない。
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「知識」などという冗長な言葉はもうすっか死語になっている。今ではその代わりに、短く―「知」―と言わなければならないのである。仏教において絶対で不滅な人生の根源のことを意味している「識」という言葉の重みを取り払われた「知」は、軽妙で、微細で、多元的で、非中心的で、ズレに満ち、そしてなによりも胡散臭いものとして規定される様になったのである。ひとは、かつてのようにみずからの中に知識を貯えて「知識人」になるのではなく、この「識」を失った「知」なるものに対して、その冒険的な狩人になったり、それを祝祭的に蕩尽したり、そのねじれの構造を批評したり、それを玉手箱のように脱構築したり、それと軽やかに戯れたりしなければならなくなってしまったようだ。
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と岩井さんは皮肉を言われる。
あくまで資本主義経済社会に踏みとどまり専門分野である経済に関して、なんとかして「知」を「識」にまで織り上げようと呻吟されている苦悶、苦闘が感じられる。なんか…学問って闘争というか死闘なんだなぁ~と感じてしまった。
それに比べて、自分のなんとお気楽なことか…
しかし、読むのは止めないつもり。読むのをやめたらたちまち暗黒の闇に舞い戻り世界を呪い、自分を呪うことになってしまいそうだからである。ただただ時間を消費して、他人に迷惑をかけないために本を読むというのが、手持ちの脳のメモリーが小さくて、CPUのクロック数も低いが故に「知」を「識」に編みあげるなどとても出来ない相談である私の読書体験なんだなぁ…
水野先生が感想を聞いてくださる��が唯一の救いだな。
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経済学は全くの門外漢だけれども、知の興奮を得た。
なんとなくこれらの論文内容を数式化できるんじゃないかって気がするのは、良く理解していないからかな。
媒介が媒介について媒介しはじめる話がイイね!
水村美苗さんが奥様とは!彼女の日本語の話を再読したいと思います。
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注意!本書は『ヴェニスの商人の資本論』というタイトルながら、シェイクスピアのヴェニスの商人に関する話は最初の70ページほどで、あとは全く関係ないエッセイです。タイトルがミスリーディンクどころか、限りなく詐欺に近いと思います。
私はヴェニスの商人を読んだ後、著者がどんな読み方をしたのか興味があったので購入したのですが、完全に裏切られました。私がもっと気をつければよかったのかもしれませんが、そんな企業の論理は少なくとも私は納得できません。
なんか他のレビューを読むと、東大教授という肩書きにビビっているのか賞賛が多いですが、こんなウソをつく本なんて読む必要ないですよ。経済学にはもっと誠実な学者が、読者のことを考えて書いた良書が沢山ありますから。
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評判もよく、センター試験にも出ていたので期待して読んだが、結果は期待はずれだった。学者が好みそうな純・学術的であり、実用性を期待していた僕にとってほとんど感慨を起こさせるものではなかった。
ただ、純粋な学問的好奇心を求める人にとってはいい本かもしれない。
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表題作読了(2013・2・11)。
登場人物のもつ役割の枠組みに対する切り口が斬新。
兄弟盟友的つながりのあり方から、貨幣を媒介にした個人と個人のつながる世界へと変貌していく様が作品の解説を通して理解できる。
貨幣の役割とか、資本主義とか、そういった話ぬきにして、大学生のころに親しんだ本"ヴェニスの商人"について、より多面的な読み方を知ることができ、単に読み物としてもおもしろかったです。