投稿元:
レビューを見る
「ユーカリ・ビジネス」田坂敏雄著、新日本新書、1992.12.10
213p ¥780 C0236 (2023.10.20読了)(2007.11.12購入)
副題「タイ森林破壊と日本」
タイにおける土地政策について述べられています。農山村の生活の一端がわかったのが収穫です。土地政策については、農山村の人々の実態に即した政策が行われていないことがわかりました。政策を作る人たちは、農山村の生活の実態は知らないし、知ろうともしないのだろうと思います。国のトップの人たちの資質の問題でしょうね。
【目次】
はしがき
Ⅰ 植林という名のエンクロージャー
一 国土緑化計画とスクオッター
二 追い立てられるスクオッター
三 偽の土地証書と不動産業界
Ⅱ ユーカリ・ビジネスの政治経済学
一 日タイ紙パルプ事情
二 借林競争とスキャンダル
三 ユーカリと国土緑化
Ⅲ リゾート開発とスプロール現象
一 バブル経済と土地ブーム
二 日本人とゴルフ場ブーム
三 すすむ林野のスプロール
四 脅かされる世界の国立公園カオヤイ
Ⅳ 立ち上がる人びと
一 草の根の怒り
二 たたかう僧と緑化の戒律
あとがき
●ユーカリ(207頁)
ユーカリ林は地下水を枯渇させ、土壌を固くさせてエロージョン(浸食)を引き起こす。ユーカリの葉は有害な物質を含むため、鳥や小動物が棲息できず、家畜の飼料にならない。
☆関連図書(既読)
「タイ・密林の解放戦線」芝生瑞和著、現代史出版会、1979.07.10
「タイ 変貌する白象の国」安田靖著、中公新書、1988.08.25
「アジア新潮流」渡辺利夫著、中公新書、1990.08.25
「タイ 開発と民主主義」末廣昭著、岩波新書、1993.09.20
「クーデターの政治学」岡崎久彦・藤井昭彦著、中公新書、1993.09.25
「タイ・カンボジアを歩く」花崎皋平著、岩波ブックレット、1993.11.22
(「BOOK」データベースより)amazon
タイでは、今「ユーカリ植林」の名のもとに、国家や軍隊、企業による大規模な林野の盗奪が行なわれている。現状と背景、環境問題や日本とのかかわりを分析し、住民のたたかいをリポートする。