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寺山修司の略歴は知っていたのですが実際どんな方だったのかなあ、と思い伝記のような物を読んでみようかな、と借りてみました。元奥さんで劇団も一緒に経営されていた方の本です。
それにしても寺山修司の作品は何か引きつけられるものがありますね。私が最初に読んだのは「書を捨てよ町へ出よう」だったのですが読んだ時既に社会人で良かったな、とつくづく思いました。これを思春期の多感な頃に読んでいたらこの人の世界観にドハマりしただろうな、と。この本を読んで力石徹のお葬式とか昔社会現象になったと言う出来事に寺山修司や天井桟敷の存在があったんだなあと初めて知りました。
著書を全て読んだわけではないのですが寺山修司は好きな作家です。そのうち短歌や作品をきちんと読んでみたい。
母親と幼少時から別れて暮らしていたことや若いころの入院生活。寺山修司の作品にはそんなさみしさがにじみ出ていて人を引き付けるのかなあなんて思いました。それにしても壮絶なお母様ですね。ですが反対に考えてみればようやく息子と近くに暮らせるようになったら息子が大病して、一緒に暮らしだした途端、数年で結婚してしまう。それはさみしかった事だろうと思います。でも最後は元嫁さんに面倒を見てもらい、実の娘みたいだとまで言ってもらえたのだから九條さんという方の献身は伊達ではなかったのだろうな、と思いました。