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旭天鵬関の初優勝で大いに盛り上つた五月場所。また日本人力士は優勝できなかつたかと思つたら、旭天鵬関はすでに「日本人」になつてゐたのですね。
それにしても、横綱白鵬関が大崩れしたといふのに、六人もゐる大関が誰も優勝できないのはどういふことか。
旭天鵬関の師匠は、「ピラニア」「相撲博士」と呼ばれた元大関旭国。引退後大島部屋を興し、横綱旭富士を始めとして多くの個性的力士を輩出しました。
モンゴルから弟子を連れて来たのも、大島親方が最初らしい。とすると、その後モンゴル勢が大相撲を支へたことを考へると、功績大と申せませう。
さて本書『大相撲親方列伝』は、その大島親方の先輩に相当する名伯楽の物語であります。
登場するのは花籠(元大ノ海)・二子山(元若乃花)・春日野(元栃錦)・九重(元千代の山)・九重(元北の富士)・三保ヶ関(元増位山)・北の湖・井筒(元鶴ヶ嶺)・佐渡ヶ嶽(元琴桜)の9人。
石井代蔵氏の筆致は、まるで小説を読むやうな味はひがあります。ま、親方の手法も現在では通用しない部分が多々あるでせうがね。
「ムリヘンにゲンゴツ」が許されぬ時代となり、変化についていけない親方は大変なのであります...
http://ameblo.jp/genjigawa/entry-11259559090.html