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紙の本
キリスト教入門への一冊
2016/02/09 14:42
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投稿者:塩漬屋稼業 - この投稿者のレビュー一覧を見る
本書は六部構成になっていて、前半三部がイエス・キリストについて割かれ、後半がそれ以降、現代までとなっている。
そのためキリストの復活から使徒たちの伝道に始まる「キリスト教」の歴史はかなり駆け足での紹介になっている。
イエスという人はあくまでユダヤ教を土台にして活動しているのがよくわかる。
評者は、本書と並行してヨハネ福音書を読んでいたのだが、イエスはいわゆる旧約聖書の解釈者として活動しており、自らを旧約聖書の預言が成就した存在であると規定しているようだ(福音書によれば)。
そう、イエス・キリストは解釈者なのだ。
トーラーやタルムードの伝統が示すようにユダヤ的知性は解釈に比重が置かれている。
そのユダヤ‐キリスト教を後背に持つ西洋思想というものは滔々と続く解釈学的営みでもあったのだ。
福音書によると、イエスにおいては一徹に信仰することしか問われていないように思われる反面、なぜイエスこそが救世主であるのかは問われない。
様々な奇跡を行うことがその証しであるとはされるのだが。
そしてその奇跡と自己犠牲が既におよそ二千年の歳月を担保しているという事態は恐るべきものではあるのだが。
キリスト教がユダヤ教のような民族共同体内に収まるという枠を越えて拡がった契機は、やはりパウロの伝道によるところが大きいだろう。
但し本書のみではこのパウロの、殆ど異常とも思える情熱の在り処がよくわからない。
キリスト者ではない評者には、復活のイエスを目撃するという回路が謎なのだ。
パウロはいわば、人は誰しも罪を背負っているが、信じる者は救われるとの解釈を提示したように思うが、これは日本でいえば親鸞のようなものだろうか。
親鸞の人気のあり方、受容のされ方に通じるものが、パウロの伝道の力にはあったのかもしれない。
ともあれ信者ではない立場から概略を知るにはコンパクトにまとまった一冊でした。
紙の本
キリスト教を一望する
2001/02/14 08:55
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投稿者:ミオメロディ - この投稿者のレビュー一覧を見る
信徒ではないけれど、キリスト教には興味があった。西洋世界はキリスト教抜きには語れない(西洋だけでなく日本はもちろん全世界がそうだ)。ただいつまでたっても知識はごちゃごちゃで、三位一体って何だっけ、旧約だと、カトリックだと…ええっと… そこでこの一冊。その混乱を明解に整理してくれた。
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