紙の本
職人の手は神の手に匹敵する
2002/04/02 18:29
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投稿者:奥原 朝之 - この投稿者のレビュー一覧を見る
巨匠のことをイタリア語でマエストロという。本書に出てくる職人はみなさん巨匠と呼ぶにふさわしい人達ばかりである。
指先で数μmの段差が分かるというまさにゴッドハンドな人、奇抜なアイディアを実現させる人等々、様々な人達の様々な技術が紹介されている。日本の製造技術はこういう人達が開発し、高度経済成長を下支えしてきたのである。巷では世の中不景気だという話ばかりしか聞こえてこないが、技術力で成長している会社が有るのも事実である。
著者が技術者の方々へインタビューしたものをそのまま書いているので、面白く読める。メーカー勤めの人で、特に技術者の人に読んでもらいたい本。きっと『よーし、俺もがんばるぞ!』という気になること請け合いである。
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日本の技術者たちの偉業を対談形式でいくつもまとめた本。メタルカラー(金属の襟)とは造語で、ホワイトカラー(白の襟=Yシャツ=サラリーマン)、ブルーカラー(青の襟=作業着=労働者)に対して作られた言葉。工学部必見。
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おもしろい。スポットが当りづらい各種製造産業を中心に、企業のベテランへのインタビュー集。企業間の駆け引きはあえて意識せず、シンプルに技術の苦労や進歩のエピソードを聴き取る。一つのエピソードが短く概略で、全体に流れを意識した再構成のため、分厚いけれどさっくり読めた。機密は開示せず対談形式で薄味なため、深堀欲しいもどかしさも。あくまで概論やきっかけとして読むべきか。語られる内容そのものは、とても面白い。著者は合いの手中心だが、ところどころで鋭い意見を挿入。本書が刊行続くことは、とても良いことだと思う。
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やっと読み終えました。今はなきカセットテープやフロッピーディスク、私はどちらにもお世話になった世代なので、開発や規格化の苦労を読めてよかったです。続編が文庫で出ていますが、これはどうするかなあ。
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蓬原(日本信号)さんの回で原発のフェールセーフという話が出てくる。水力発電のダムの下に炉を置いて、何かあったらダムを壊して、緊急炉心冷却するというアイデア。
http://d.hatena.ne.jp/oraccha/20121231/1356946686
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開発というものについての刺激のある本を読んだ。
「メタルカラー」という 命名も面白い。
さしづめ 農業は 何カラーだろう。
やはり 中小企業の持つ力はすごい。
いかにして 柔軟な姿勢で 仕事をするかにある。
名匠 マエストロ が作り出す。
「人類初、世界最大、原子レベルの極小加工」
日本が 職人芸で 品質を作り上げていく。
「経験と感」
マニュアルについて
マニュアルがないので
質的な転換が できないのかもしれない。
マニュアルの設定条件こそ
重要な位置を占めている
発想方法の問題に 発展しない。
農業が 質的に変わっていくためには、
情報をきちんととらえて いくことが どうしても必要。
アメリカの農業と日本の農業の違いは
そのところが 遅れている。
農家が 5000坪くらいまで 経営することが
できるが・・・それ以上になるとできないのは
1 マネージャーを育てることができない。
2 栽培マニュアルができない
3 販売戦略を立てることができない
いずれも 情報が 整理されていないことから 起こる。
中小企業は まだまだ可能性がある。
大企業でなければ できないことで
大企業でなくてもできることがあるはず
問題は マニュアル不足だと思っている。
経験と勘ですべてを語り
名匠 という個人芸で許容していることに
日本の職人芸があると同時に
質的な発展もないのだと思う。
アメリカの独創性は 常に 違うことを
かんがえているから強さがある。
それを マニュアル化していくところに もっと
強さがある。
ディズニーランドのマニュアルが
優れているといわれているが
仕事は マニュアル化されて 初めて 合理的になる。
日本人は働きすぎだといわれるが
マニュアルがないので ヒトに受け継ぐことができない。
この中にいる メタルカラーの人たちは
実に生き生きとしている。
顔が 個性的である。
こんな風に、顔を作ることができたら・・・
個人の発想や 知恵の大切さを
十分に感じさせるないようだった。
小さなことに 人類初になったりする。