紙の本
質問の立て方の巧みさ
2000/11/04 19:14
2人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:katokt - この投稿者のレビュー一覧を見る
昨今いろいろなところで“Guns,Germs,and Steel”で話題のJダイヤモンドの本で、ヒトの進化から話を始めて行くんだけど、例のなぜ言語をしゃべれるようになったかという大きな疑問とともに興味深い疑問を取り扱っている。とにかく幅広く(もちろん浅くはなるが)次から次へと展開する議論が、いろいろな興味をかきたてるよい本だと思う。詳しくは
投稿元:
レビューを見る
第1部 単なる大型哺乳類の一種
第2部 奇妙なライフサイクルを持った動物
第3部 特別の人間らしさ
第4部 世界の征服者
第5部 一夜にしてふいになる進歩
エピローグ 何も学ばれることなく、すべては忘れられるのか?
投稿元:
レビューを見る
人間は、偉大な狩人でなくて実は、女たちの集めた穀物で生き延びてたらしい。さらに、農耕が始まる前のカロリー摂取はそれなりであり、そこそこしあわ暮らしていた可能性がたかい。そもそも、700万年生き延びているわけやしの。農業が始まると、パンドラの箱を開けるように、栄養失調、飢饉、伝染病、階級差別が出現した。また、それにより、ジャノサイドも大規模になっていく。
ネアンデルタール人は、野蛮な猿人だがクロマニヨンは現代人とあんま変わらないの意外。性の謎、性淘汰説、ベルモットモンキーのことば、農耕や放蓄するアリなど色んな知識が詰まっている。
投稿元:
レビューを見る
確かに名著なんでしょうが、何せ出版が20年前だ。
最新の研究はどうなっているのか。知りたいような、知るのが怖いような。
でも単なる読み物としてもGoodですよ。
以前から、日本の空き地を見ると「豊かだなあ」って思ってた。
放っておくと草がぼうぼうに生えるって、相当豊かだと思う。
放っておくと砂漠になってしまう場所のほうが多いんじゃないですか。
メソポタミアやアフリカが、以前は文明が栄えて
今は砂漠になってしまった理由が、明確に書いてあります。
また希望も書いてあります。著者はその辺意識して、
悲観的になりすぎないよう書いているように思います。
投稿元:
レビューを見る
図書館で借りましたが、自分でも欲しいです。
☆異性の選り好み
中指や耳たぶの広さでさえも異性を選ぶ傾向に相関関係がある。
しかも、親や兄弟姉妹や幼友達と、似ているけれど、それ自身ではないものを選ぶ。
☆皮膚や目の色などの人種の違い
皮膚の色は太陽光と緩やかな関係があることは確かだけれども、まったく当てはまるわけではない。
よって、自然淘汰とともに、性淘汰が大きく関係しているらしい。
☆芸術
絵を描くぞうさん、チンパンジー
ニワシドリのあずまや
投稿元:
レビューを見る
ジャレド・ダイアモンドの処女作にして、それ以後の著作の萌芽がすべて詰まった本である。さらに、以後の著作に含まれないインド・ヨーロッパ語族の起源やETにまつわる進化収斂、性淘汰、ジェノサイドなど興味深い知見が随所にある。まさに知の宝箱である。
投稿元:
レビューを見る
米国の鳥類学者・生理学者のジャレド・ダイヤモンドによる科学書。原題のThe Third Chimpanzeeが示しているように、人間をチンパンジーの仲間の動物の一種と見なして、人間の歴史と今日、未来について語られている。
本書の題材は、生物学はもちろんのこと、人類学、言語学、社会学等多岐に渡る。ヨーロッパの文明が今日、全世界を席巻している理由についての考察は、著者の最近の著書『銃・病原菌・鉄』の主題的論点だと思われる。
著者は議論の余地のある学説については、その事実を明らかにするように務めているようだが、すべてのトピックについて現在においても十分な信頼性が保たれているかは疑問である。一つには、本書の原著の出版がすでに20年以上前となっていて、配列解析による分子系統学を始めとする最新の科学的知見が反映されていないことによる。もう一つは、訳者があとがきで指摘するように、性淘汰に関しては当時の水準から考えても、著者の主観的立場から書かれている感が否めない。