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ミシェル城館の人 精神の祝祭 みんなのレビュー
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紙の本
ミシェルと語り合おう!
2004/01/16 13:49
2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ガブリ - この投稿者のレビュー一覧を見る
モンテーニュ伝の第三巻「ミシェル 城館の人 精神の祝祭」は題名の通りその魂の軽やかさで圧巻である。
ミシェルの時代はその生涯を通じて国内戦争の血みどろのときであった。前巻、1572年には史上有名なサン・バルテルミーの虐殺があり、これを命じたとされるカトリーヌ・ド・メディシスは冷血な悪女として有名だが、彼女も困難な時代にあって国の崩壊をとどめようとした強靭な精神の持ち主であった。
二巻目以降ミシェルは城館にこもる暇もなく呼び出され国事にかかわっている。
三巻目ではイタリア旅行に出ているがボルドーの市長に選出されたとの報を受け帰途についている。
その当時の国内は三すくみ状態にあった。
カトリーヌの最後の子アンリ3世の王権と、カトリック教会を味方につけスペインから援助をうけ王位を狙うギュイーズ公と、次期王位継承者とされながらプロテスタントの旗頭となっていて身動きできないナヴァール公アンリ。
息詰まるような極端な政治的状況にあってミシェルも政治交渉に駆り出され奔走している。
目まぐるしく動く国内状況を影法師は語り、ミシェルは動き、読者は固唾を飲んで見守る。三者がひとつとなる瞬間である。そしてここから、ミシェル、堀田氏(影法師)、読者であるわたしの三者の語り合いが始まる。
<精神を鍛錬するのに最も有効で自然な方法は、私の考えでは、話し合うことであると思う>
語り合おうではないか。人間について、精神について、その他もろもろのことについて、語り合おうではないか。
<私は万事談話風に語る>
<言葉は、半分は話し手に、半分は聞き手に属する>
この瞬間に向けて三巻をついやして影法師はミシェルを観察してきた。
三巻をかけて影法師に導かれ読者はミシェルの魂の核まで入り込み、そこで精神の祝祭の場に立ち会うのである。
この困難な時代にあってなんと伸びやか精神。その精神と語りあえることの喜び。まさしく精神の祝祭である。
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