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紙の本
小説における「歴史」のありよう
2002/06/30 10:10
2人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:あおい - この投稿者のレビュー一覧を見る
「クマのプーさん」や「ピーター・ラビットの絵本」の翻訳で知られ、自身も「ノンちゃん雲に乗る」などの児童文学を執筆した石井桃子の「大人向け」(とはだが何か?)の長編小説。
女性というのは自分自身を含めて欲望をフィクティヴに見る眼を有していて、近代的なモデル/ライバルケースを実に豊かな小説に仕上げることが出来る。人は恋に落ちると女性化するとロラン・バルトが言っているけれど、それはようするに語りの綾の中に自らの欲望を溶かし込んで方向性を失わせるということでもあるだろう。到達すべき目的を喪失してひりひりするような快楽の孤独さと戯れること。そこに生きること。そうした大文字性を回避した歴史こそが小説に於いて語られるべき歴史なのだ。
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