紙の本
名探偵はやっぱりカッコイイ!
2002/01/15 02:30
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投稿者:ブービン - この投稿者のレビュー一覧を見る
現実のドラマチックは、非現実のドラマなんて一掃する。
交通事故鑑定人S氏のところに依頼される事件は、もう結果があるような事件である。そんな事件をS氏は、職人的執着と科学的な視点でひっくり返す。それはもう痛快である。なんせ世界一質が高いとされる日本の警察を、たった一人のオッサンがやっつけてしまうのだ。もちろんそこには警察の検証システムに問題があるからだけれども。
名探偵が現実の世界にいるのだから、もう憧れないわけにはいかないのだ。
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面白そうなタイトルじゃないか。しかもあの猪瀬直樹が書いているんだよ。
ノンフィクションで事件簿なんて、期待が持てる!!
…と思ったらまた裏切られるパターンだった。
最近ノンフィク系にはずれが多いぜ…^^;
そもそも本が古すぎた!!
猪瀬氏がS氏にあって話を聞きだしたのは昭和61年、
本の中身の事故は昭和54年とか。私の生まれた年だし。
実際に活字となったのも雑誌初出1987年、古いのだ。
猪瀬ちゃん(どんどんひどくなる呼び方)のライターとしての腕が
微妙に首をかしげたくなる感じなのだ。
書いてある事件のことがしりすぼみで、起承転結の承の終わりくらいから
ぜんぜん違う話にいっちゃって、そのまま話が終わる。
S氏でとおしてるはずなのに、あとがき(ではS氏の本名を出している)に行く前に
一か所だけぽろっと「鈴鹿が」とかいって名前出しちゃってるし。
とにかく仕事が甘く、雑なのだ。
だから期待したほどの事件はない。
ちらっと垣間見えるS氏の人生や生活も、
もっと掘り下げてくれれば相当面白そうなのに、
そちらも中途半端。
どうした猪瀬直樹!! と叫びたくなる、
超・お粗末な一冊。
それでも猪瀬っちを酷評しないのは彼が長野県民だからなんだよ~~
とりあえず、県民頑張れ。ってことでね。
ブログ用に他の記事も参照してみたら、
このS氏、インチキ鑑定人との声もあるらしい。
だけど、コスタ事故で学んだ、
誰かがこう言っていた、とか、
この人はこう言っている、という判定の仕方では正直事実はわからない。
そういう意味でも、もっとたくさん事例があったり
その鑑定を再度現代科学で鑑定しなおす、といった作業が加われば
どちらに転んでも面白い読み物になると思うんだけどな。
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本書は、交通事故の原因を調査する【交通事故鑑定人】ついて書かれたノンフィクションである。事件発生から警察の取調べや裁判での様子を描いた後、最後にS氏が謎を解く展開である。そのため、推理小説を読んでいるように感じることが出来る作品である。
■タイトル
・『シャーロックホームズの事件簿』を、意識したのは間違いないだろう。
・P99ではS氏と著者の対話を、シャーロックホームズとワトソン博士に例えている。
・シャーロックホームズ・シリーズの短編集の中で『事件簿』は最後の1冊であることから、この『交通事故鑑定人、、、、』も最後の1冊と言える。
・それは、このS氏が既に(初版時)亡くなっていることからもいえる。
・終章にある”N青年の父親の追悼挨拶”でもあるように(「新聞が一行も報じないのは解せません」)、S氏の功績を後生に残す意味もあり、著者は本書を書いたと考えられる。
■時代
・本書の初出は1987年、初版は1994年と約20年前である。
■構成
・3つの章と終章の4部構成である。
・1章、2章、3章では、S氏が手がけた交通事故鑑定が描かれる。
・終章で、S氏の生い立ちから死まで、その正体が明かされる。