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紙の本
有名処。
2019/05/26 11:54
2人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:岩波文庫愛好家 - この投稿者のレビュー一覧を見る
李陵・山月記と言えば、著名な作品ですので、私も中学生の頃に新潮文庫で読んだ記憶はあったのですが、どうも内容の記憶が朦朧としていたのと、その文庫の実家での所在が不明だったので、岩波文庫で購入しました。ま、当然読み進めてみて内容を思い出した訳ですが、独特の漢文体の語調が、この年齢になって心地よい感じでした。今こういった文体の作品はまず無いといえるでしょう。音読すれば、言葉の持つ良い響きを堪能できると思います。
この二篇以外の作品は、かなりまた違う雰囲気でした。個人的には二篇のインパクトが強いので、二篇以外には特に食指は動きませんでしたが、経験値として読了できて良かったとは思います。
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国語辞典が必要?
2002/01/03 22:27
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ひーちゃんのパパ - この投稿者のレビュー一覧を見る
読み返すに足る本ではないかと思う。はじめの1回は、文章のリズムを楽しみながら。もしかすると、音読するのもいいかもしれない。今1回は、意味を調べながら!
だって文章が難しいんだもん。しかし、自分が日ごろ使っている言葉を、何故彼が「この漢字」を充てたのか、それが発見できます。ボキャブラリーが増えますよ!
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『山月記』だけで終わったらもったいない
2023/04/30 09:18
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:マーブル - この投稿者のレビュー一覧を見る
『山月記』があまりに有名なため、他の短編のがらりと変わる雰囲気に驚く。中国に題材を取った漢文調の作品。繊細さが感じられる南の島々を描いた作品。肩の力を抜いた自分自身の周辺を描いた随筆のような作品。33歳で亡くなってしまい、その先どのように変化しくはずだったのか、今となっては知るすべもないが、作者の哲学的指向がもっと発展、展開することを期待する読者も多かっただろう。善と悪。幸福と不幸。常識と非常識。正常と異常。その間に引かれる線の曖昧さに悩める個人の姿は、現代人の心に訴えかけるものになったに違いない。