紙の本
藤原道長
2022/06/25 19:53
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投稿者:earosmith - この投稿者のレビュー一覧を見る
藤原道長のイメージを一変させた、永井路子さんの中でも1,2を争うほど面白い「この世をば」。兄たちの陰に隠れた平凡な男が運に恵まれて権力を握っていくさまが本当に面白いです。栄華を極めた果てに道長か見たものとは?
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藤原道長が主人公の小説。当時の貴族の日記や大鏡などの歴史書を徹底的に読み込んだ上で執筆された小説ということで、ほぼほぼ歴史書のようになっている。著者後書きにもあったが、権力者であった道長はとても強引で巨悪のように思われがちだが、本書では平凡で、運の良さとバランス感覚で時代を乗り越えてきた人物として描かれている。個性的な兄やその他の貴族に比べると、あまり印象に残らない人物像。そして、倫子はじめ女性たちを悲しませることなくうまくやっているなど、好感が持てる主人公だった。
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TNさんのおすすめ。
今年のNHK大河ドラマは、
珍しく平安時代がテーマとあって見てみることにしたが、
出てくるのは藤原ばかり、外見も烏帽子に狩衣や直衣とかばかりで見分けがつかない。
と愚痴っていたら、勧められた本。
藤原道長が主人公の作品で、とても読みやすかったし、面白かった。
実在の人物を登場させていても史実から離れエンターテイメント性豊かなのが時代小説、
史実に即して描かれるのが歴史小説と言うことらしい。
初めて知った。
この作品は明らかに「歴史小説」で、
史料に基づいた記述は安定感があって、
平安時代のことをよく知らない自分にはまさにうってつけだった。
それにしても火事が多すぎ。
いかに木と紙でできている都だとしても。
それと、
あの有名な道長の歌「この世をば」が、
ロバートの秋山ではなくて、藤原実資の日記で伝えられているとは驚きだった。