電子書籍
まさしく眩暈を呼ぶ奇想
2018/09/18 17:25
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投稿者:アントネスト - この投稿者のレビュー一覧を見る
名探偵・御手洗潔の第六長編。単行本の初刊時には「新・占星術殺人事件」というキャッチフレーズがついていたと記憶しています。
『占星術殺人事件』同様、物語は奇怪な手記によって幕を開けます。
優しい義母は映画の話題を口にしたとたん狂乱し、闖入してきた覆面の暴漢の手にした拳銃が放った弾丸は、銃口の先にいなかった人物を傷つける。マンションのロビーではウサギやねずみが相撲をとり、森には恐竜が闊歩する。空からは太陽が消えうせ、死者が立ち上がる。
あまりに常軌を逸した内容を前に脳学者は言う。「これはいかなる原因で生み出された妄想なのだろう?」
御手洗はあっさりと答えます。「これは妄想ではありません。真実の記録なのですよ」
そんな馬鹿なと絶句する石岡たちに、御手洗は驚くべき絵解きをしてみせます。そして見えてきたのは、ねじくれた犯罪の全容でした。
前段の幻想を、後段に論理で解きほぐす。島田の提唱する奇想ミステリを代表する一冊です。
紙の本
御手洗好きは読むべし
2022/10/05 11:19
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投稿者:しー - この投稿者のレビュー一覧を見る
やっぱり島田作品を読んでいる人の一定数は、
御手洗潔という人物に惹かれて読んでいるものと思う。
かく言う私も、御手洗というキャラを少しでも多く見たいため、作中の後半からやっと登場したり、そもそも電話口での登場だけだったりする作品は、いかに"御手洗作品"と言われても満足出来ない。私が見たいのは、奇人めいた振る舞いと神業的な推理をする御手洗 潔の姿なのだから。
そういう意味では、本書は物語前半から御手洗が登場するため、御手洗好きにはたまらないと思う。
ノーベル賞受賞者と御手洗との会話もあるため、
いつもの石岡君の気分もしっかりと味わえる(あの置いてけぼりな感じ)。
購入を検討している諸君、書籍の厚さに気が引けてはいけない。
ページをめくる手を中々止められないだろう。
電子書籍
本当に眩暈がするような話
2018/11/25 08:39
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投稿者:美佳子 - この投稿者のレビュー一覧を見る
本当に眩暈がするようなストーリーでした。特に最初のフォントの大きいひらがなのみの精神病者と思われる手記とその手記に関する東大教授の精神病学的な考察などは夢野久作の『ドグラ・マグラ』を彷彿とさせるもので、読むのにやや根気が要ります。しかし、『ドグラ・マグラ』よりもずっとテンポよくストーリー展開し、きちんと現実的な調査がなされた上で論理的な推理が展開され、すっきりと様々な謎が解かれるので、読後感は断然充実しています。
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冒頭で、「本人のアイディアであろうが、面白い試みをしているなぁ。」と思った記憶がある。奇しくも同時期に書かれた綾辻氏の作品と酷似している点があるのが愉快である。読み比べしてみるのも良いかも。
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大長編で本の厚みに軽いめまい。それが、眩暈?(嘘、長いの大好き)
キライじゃないけど、でも読み終わると長いわりに何も残らなかった。やっぱり眩暈?!
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冒頭のノートについての謎解きだけでも十分楽しめる。作品内での御手洗たちの移動範囲は意外に狭いが、ドキドキさせるような異世界はいつも以上にきちんと描かれている。けっこう好み。
ただ、「占星術の再来」は言い過ぎかも……。
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なんせこれが私にとっての島田荘司小説、初デビューになる。
最初の手記の部分で「私SF好きちゃうねん」と挫折しましたがな。
後に友人がこれを読んで「面白かったぞ」と言うので再チャレンジしてファンになったけど。
この頃は小難しいこと書いてても面白かったよ、島田作品は。
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島田氏のデビュー作、占星術殺人事件をモチーフにした奇妙な手記から始まる異色のミステリ。恐竜に食い千切られた腕が再び生え、死体から両性具有者が甦る。眩暈を起こしそうな手記の謎がどんどん解けていくのは気持ちが良いです。島田作品の中では一番好きかもしれません。
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御手洗シリーズ。ある青年の不気味な手記から始まる不条理で怪奇な物語。男女の遺体を切断し繋ぎ合わせた両性具有者が生き返る。この世の果てのような荒涼とした異世界の風景。不条理な迷宮から抜け出すと、またグロテスクな世界が姿を現わす。冒頭の、文字から受ける印象を巧みに利用し、青年の不安定で異常な精神世界を著した手記には幻惑される。また、その手記についての御手洗と古井教授の医学的考察がとても興味深い。この部分を読むだけでも価値あり。青年の目前で次々と展開される悪夢を、御手洗が論理的に解明していく過程は面白いが、ラストあたりは荒唐無稽な部分もあり、ややしらけた。とはいえ、幻想と現実が錯綜するストーリー、そして、読み進めるうちに感覚がぐらりと揺らぎ、まさにタイトルどおりの「眩暈」を引き起こす構成・演出はかなり楽しめる。心に残る物語ではないが、脳裏に焼きつくような強烈な印象が残る作品。数年前に読んだにもかかわらず、いまだに排水溝を見るとこの作品を思い出す。
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海辺の砂浜にビルが一軒建っているような印象のあるお話。色に例えると灰色なお話でした。最後のほうで御手洗達がけんかするところは性格が出ていて面白かったし。本文の中に出てくる日記は奇妙な感じでそれだけでも十分読み物になると思います。人を切断するシーンの描写が妙にリアルでした。
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なんとも変わった設定だなぁと思いながら読んだ。
手がかりは手記のみ。
書かれていることは、現実にはありえないようなことばかり。
全てがどう繋がっていくのかが楽しみだった。
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今回は最初からかなり楽しめました。
分裂病患者の夢の中の話としか思えないような内容の手記を現実に起こったことと確信する御手洗潔が、
手記の中の殺人事件を解決するために立ち上がるお話。
ちまちまと薀蓄が入るけどそこは斜め読みしちゃった。
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ストーリーだけなら断然数字錠が好きなんですが全部まとめるとこれが一番好きです。ストーリーもすごいしトリックもすごいっ。
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御手洗潔モノ第6弾。「切断された男女の死体がくっつけられ両性具有者として蘇る」という不可解な日記が示すモノはなにか。途中、登場人物がごちゃごちゃになってわかりにくかったけど、このトリックは面白い!解決できなさそうな荒唐無稽な話がさいごにすっきりします。
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中2のときの学級文庫にあった。
島田氏との出会い。
1000ページ近くあった気がするんだけど。。