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自分たちは本当に遺伝子の乗り物なのか、世代を超えて流れ続ける遺伝子の川をたどりながら、自然淘汰と生命の謎に迫る。
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『利己的な遺伝子』を読んだ時と比べると知的興奮は少ない。
95年出版だけど現在のバイオインフォマティックスを思い起こさせる記述もある。
「DNAの特徴は現代のエンジニアの能力にひけをとらない正確さでコピーされる」とあるが、現在のエンジニアの能力も及ばない正確さ、という方が正しいように思う。
「遺伝子の機械語は奇妙なほどコンピュータ言語に似ている。専門用語を別にすると、分子生物学の学術誌のページはコンピュータ・エンジニアリングのそれと置き換えることもできそうなほどだ」
「われわれ―ということは生きているものすべて―は、プログラミングを行ったディジタル・データベースを増殖させるようプログラムされた生存機械なのである」
「人間の文化は純粋に新しい複製爆弾を育ててきたのであり、それは文化の川の中で増殖したり自然淘汰される新種の自己複製する存在―『利己的な遺伝子』のなかで、私はそれをミームと名づけた―がつまっている。いまや、脳/文化という条件を先に設定して離陸できるようになった遺伝子爆弾と並行して、ミーム爆弾が離陸しようとしているのかもしれない」
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原題はRiver Out Of Edenということで、遺伝子は時を流れる川のように、古代から現代にいたるまで途切れることなく継承されてきたという比喩です。この川はどんな川かという話です。
1)この川はアナログでなくデジタルです。DNAはデジタル信号として完全にコピー可能で、子孫に受け継がれます(突然変異を除いては)
2)遺伝子の川をさかのぼっていけば(生き残っている生物のDNAを調べて統計学的な解析をすると)我々の祖先のことが分かります。ここでサルとヒトが、あるいは脊椎動物と非脊椎動物が分化した点というのは別に特別な点ではないと主張しています(この主張には議論があります)。
3)進化はジョジョにしか進みません。小さな進化の積み重ねで高い機能をもつ器官ができることを眼を例に説明しています。これらはみな突然変異と自然選択で説明できるのです。
4)生物のふるまいをじっくり観察すると「創造主」(いるとしたら)の設計プランが見えてくるはずです。全知全能の方が創ったと考えると変に思えることがイーッパイあるといいます。ヘンテコな生物の性質をいくつか紹介して、それらが進化論なら矛盾なく説明できることを示します。
ドーキンスの書いたものなかでは一番平易で手軽に読める進化論入門書らしいですので、進化論について興味があるけれど時間がない人は読んでみたらどうでしょう。
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1 ディジタル・リバー
2 全アフリカとその子
3 ひそかに改良をなせ
4 神の効用関数
5 自己複製爆弾
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直前に読んだ二冊が期待はずれだったので。
博士、面白かったです!(笑)
当時買ったままずーっと積ん読状態だった。20年近く積んだままだったとは! その間に草思社倒産しちゃったやーん。
本来、この種のジャンルは苦手であまり手に取らないのだが、見栄はって『利己的な遺伝子』を読破した手前購入した……んだと思われ。
平野甲賀氏の装丁のファンでもあったし。
頭のできのせいで理解しにくいところもあったけど(ゾウアザラシの繁殖のくだり)、全体的には『利己的〜』より読みやすい。
それにしても、キリスト教信者でない者からすると、ダーウィンの進化論を真っ向否定し、創造説を強く支持する人々が少なからずいるというのはとても奇妙に思える。そこまでこだわってどんないいことがあるのか、純粋に疑問。
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[ 内容 ]
自己複製を続けるDNAに導かれ、人類はどこへ向かうのか。
ダーウィン主義の真髄にせまる。
[ 目次 ]
1 ディジタル・リバー
2 全アフリカとその子孫
3 ひそかに改良をなせ
4 神の効用関数
5 自己複製爆弾
[ 問題提起 ]
[ 結論 ]
[ コメント ]
[ 読了した日 ]
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尊敬する人に勧められて読んだが、あの「利己的な遺伝子」の作者だとはつゆしらず、生物分野を齧っている身としては穴があったら入りたい。
結論から言って難しい内容である。
読みやすい文章ではあるが、文の端々に散りばめられた言葉の真意を全て理解できなかったことが悔しい。
進化とは何なのか、遺伝子が誕生したその先、さらに先には何があるのか。
宇宙の果てまでいくドーキンスの思考に驚きだが、彼の理論は現実的かつ、どこかSFチックもありつつ読んでいてドキドキする。
彼と論議を交わしたグールドも気になる。
あと久々にウィルソンを読みたくなった。
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1995年刊行。
あの利己的遺伝子論で著名なドーキンスによる一書である。
本来であれば、「利己的な遺伝子」を読むべきなのだろうが、時間節約とエッセンス収得でよいならば、本書で十分ということになるのだろうか。
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1995年版。学生時代に関大前の「古本センター」で購入。2017年売却。
「利己的な遺伝子」読了後にドーキンスに興味をもって読んだ本。
訳者があとがきに書いているように、ドーキンスの魅力は、その徹底した論理性(それが鼻につくときもある)。
「利己的な遺伝子」が独り歩きして、その後「浮気も何もかも遺伝子のせい」みたいな俗説が出回ったのは残念。
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★科学道100 / 未来のはじまり
【所在・貸出状況を見る】
http://sistlb.sist.ac.jp/mylimedio/search/search.do?target=local&mode=comp&materialid=09636060
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進化の歴史の中で個体から個体へと受け継がれる遺伝子の振る舞いを川に例えて解説した本。
「川」の話は、恒例のグールド批判、利己的遺伝子論、ミトコンドリア・イブの話等で、本書以外の著者の本の内容と重複する部分が多い。むしろ惑星での生命の歴史を「自己複製爆弾」として説明した最後の章の内容の方にオリジナリティを感じた。
面白かったのは、フーリッシュのミツバチのダンスの研究に対する懐疑論について記述。結局、懐疑論はある画期的実験によって論駁されることになったのだし、著者自身ははじめから懐疑論に対して否定的だった。しかし、著者は自分自身の懐疑論の否定の方法が目的論的な誤りに基づくものだったと率直に認め、ダーウィニズムが一歩間違うとそうした誤解を生んでしまうことに身を挺して警鐘を鳴らしている。
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「遺伝子の川」リチャード・ドーキンス著・垂水雄二訳、草思社、1995.11.06
238p ¥1,800 C0045 (2019.04.20読了)(2019.04.11借入)(1996.02.20/5刷)
同じ著者の「利己的な遺伝子」を読んでみたのですが、よくわかりませんでした。図書館にこの本もあったので、読んだら少しは分かるかな、と思って借りてきました。
ドーキンスさんの本の書き方は、こんな感じなんだ、というのは分かりました。
「利己的な遺伝子」より、扱っている範囲が広いようで、理解が深まることはあまりなかったようです。
印象に残ったのは、植物と昆虫、ハチ、鳥の托卵、等、みごとな進化を遂げているものがありますが、あまりにも完璧にシステムが出来上がっているように見えるので、突然変異と自然淘汰でこのようなシステムができるとは、考えられない、と言う人達への反論として、書かれた部分です。いきなり完璧にできなくても、大丈夫という事例をあげて反論しています。
ファーブルの「昆虫記」でもファーブルは、昆虫が進化の結果としてこのような生態になったとはとても信じられないと言っていたので、確かに、このような生き方に徐々に変わってきたという考え方には無理があるのでは、と同感した覚えがあります。
生物が進化してゆく様を観察できれば、納得しやすいのですが、進化にかかる時間は人間の一生よりもとてつもなく長いので、それができません。
化石で進化は確かに起こっている、また、かつては、同じとことに住んでいたものが、地殻変動や気象の変化などで、離れ離れになり、生態が別の物になっているのを見れば、進化は事実であると認めざるを得ません。
ドーキンスさんの主張は、もっと過激で、センセーショナルなものと思っていたのですが、地道な「進化論」のようです。
ハチのダンスの話も興味深く読ませてもらいました。ミツバチ以外でのダンス言語の紹介や光の位置を変えての実験も紹介しています。
眼の進化のシミュレーションについては、よくわかりませんでしたが、色んな研究の仕方があることは分かりました。
【目次】
まえがき
1 ディジタル・リヴァー
2 全アフリカとその子孫
3 ひそかに改良をなせ
4 神の効用関数
5 自己複製爆弾
訳者あとがき 垂水雄二
●遺伝子(12頁)
遺伝子は使うことで改善されるものではない。すぐれた遺伝子が成功するのであって、個体が生きているあいだに何をしようと、それは遺伝子に何の影響も与えない。
●遺伝子の組み換え(15頁)
父親の遺伝子と母親の遺伝子がまじりあうことはなく、それぞれ独立に組み替えられる。あなたのなかの特定の遺伝子は母親から伝わったか父親から伝わったかのどちらかである。
●種の分離(17頁)
なぜ二つの種は分かれるのだろう? 最も重要な要因が偶発的な地理的隔離であることを疑うものはない。
●アフリカのイヴ(70頁)
アフリカのイヴはミトコンドリアのイヴと呼ばれることもある。ミトコンドリアは、われわれの細胞の一つ一つのなかに何千となく浮遊しているカプセル状の小さな細胞内小器官である。 ミトコンドリアがなければ、われわれは瞬時に死んでしまう。
われわれは母方からしかミトコンドリアを受け取らない。(73頁)
●漸進性(123頁)
ひそかに改良をなせ。進化の重要な特質はその漸進性である。
☆関連図書(既読)
「利己的な遺伝子」リチャード・ドーキンス著・日高敏隆訳、紀伊国屋書店、2006.05.05
「二重らせん」J.D.ワトソン著・中村桂子訳、講談社文庫、1986.03.15
「見る 眼の誕生はわたしたちをどう変えたか」サイモン・イングス著・吉田利子訳、早川書房、2009.01.25
「種の起原」チャールズ・ダーウィン著・堀伸夫・堀大才訳、朝倉書店、2009.05.10
「ダーウィン『種の起源』」長谷川眞理子著、NHK出版、2015.08.01
(2019年4月23日・記)
(「MARC」データベースより)amazon
自己複製を続けるDNAの川。その川の流れを遡ることは生命そのものを理解することである。またこれから、進化はどのような流れを辿るのか。徹底した論理思考で、ドーキンスが突然変異と自然淘汰の真髄を語る。
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この本の意義を理解するには時期尚早な気がした。訳の問題かもしれないが、言葉の言い回しがいちいちひっかかる。