紙の本
文庫は確実に読みづらいので(笑)新書がおすすめです。
2001/11/29 12:37
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投稿者:さじまつきこ - この投稿者のレビュー一覧を見る
京極4冊目。重い(物理的に…)。電車で読んでいて指を骨折したとか、座っている人の頭に落としてケガさせたとか、いろんな話題を生んだ本です。文庫はどうなるの?と思っていたら、ちゃんと1冊で、1359ページで、おまけの解説まで長い。読めるか!という代物なので(物理的に…)こちらの講談社ノベルズ版をおすすめします。読んでお気に召せば、きっと文庫版も読みたくなることでしょう。やるねえ京極先生、いろんな意味で。
お話は、女子がキャーと言って読むにはちょっと地味めな内容です。でも箱根の冬、閉ざされた山寺の耳が凍るような静けさなど、舞台づくりは他の京極シリーズに負けていません。むしろ勝ってる。正月休みなどに読むと、ムード満点。休みはきっとつぶれるけど、おすすめします。コアなファンが多いんですよ、鉄鼠はね。
紙の本
お坊様の世界は複雑怪奇
2006/12/28 06:38
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投稿者:あん - この投稿者のレビュー一覧を見る
分厚さが約2倍にUPしていて衝撃でした。ただでさえ分厚いのに…
内容はひたすら仏教。最初から最後まで、禅やら最澄やら空海やら、私にはとんと馴染みでない話題に終始し、8割読むのが大変でした。
残りの2割で漸くお坊様の人間性や謎解きが登場し、ホッと一息。
んー、ストーリーとしては今までより普通なのですが、おどろおどろしさはある意味上を行っています。
今までで最も複雑な作品。
紙の本
かくも妖しき雲水たち
2001/07/10 10:24
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投稿者:呑如来 - この投稿者のレビュー一覧を見る
仏教好きなので冒頭の一行から期待して読んだのですが、それほどには楽しめなかった作品。
説明ばかりが多いのはいつものこととして、実はお坊さんたちが○○だったというのはあまりにも…という感じ。いや、もしやと期待してたんでそのお約束な展開はなかなかおもしろかったんですが。
禅問答や十牛図など、仏教の知識が多少ある人にとってはちょっと徹底が足りないような気もするし、かといって初心者にやさしいかといえばそうでもない。これなら殊能将之の『黒い仏』の方が破天荒でエンターテイメントとしては上出来かなということでこの評価に。
関口は相変わらずで心底あきれますが、榎木津が京極堂のために一肌脱ぐところはちょっとかっこいい。しかし私は鳥口の「うへぇ」口調に爆笑してばかりだったためミステリーを読んだという気分はかなり薄いです。どうも京極夏彦はユーモア小説を書いた方が良いような気がするんですけどね。
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投稿者:ヲト - この投稿者のレビュー一覧を見る
仏教系の話。
坊さん出てくる出てくる…。
男色とかもあったり
他の坊さんに嫉妬したり
坊さんもいろいろ大変なんだなと思った。
仏教の専門的なこととかが沢山書いてあり
あんまり理解できないことも多々あったが
探偵・榎木津さんの登場シーンは
いつものことだけれど
スピード感があって良い。
彼の登場シーンには物凄く反応してしまう。
我儘でハイテンション、だけど説得力があり
周りのものが惹きつけられてしまう。
しかも元海軍て!
戦争中どんな上司だったのでしょう。
そんな彼や京極堂の活躍を
冷静に見ている関口(鬱の傾向にある)の語り。
仲間との掛け合いが絶妙だ。
振袖の少女・鈴がかなりミステリアス。
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いちばん最初に読んでしまった京極堂です。友だちは怒りました。「ちゃんと順番に読まないと駄目じゃないか!」‥‥そういえば村上春樹をピンボールから読み始めたときも別の友だちにやっぱり怒られたものである。京極氏は僧侶がこれを読んでどういう反応を返すかすごく怖かったんだそうですが、おおむね好意的に受け容れられて、よかったんだけどちょっと拍子抜けしてしまった、みたいなことをどこかでおっしゃっていたと思います。十牛図の説明は非常にわかりやすかったです。
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とある寺院を巡る謎、そして次々と殺される僧侶たち。探偵役の京極堂は事件と距離をとり続けるが、友人の関口、京極堂の妹、敦子らは事件に深く巻き込まれていく。
京極堂シリーズ4作目。物語がどんどん長くなっている。読むのに四日もかかった。事件全体が禅宗の教義、歴史と深く関わっているので、必然的に京極堂自身の口から、そして登場する禅僧との対話において、その手の蘊蓄が長々と開陳される。作者はよく勉強しているなぁ、と感心したがもう少し短くまとまらんかなぁ。関する蘊蓄に力点が置かれすぎて、殺人のトリックが凡庸になっているようにも感じられる。この作品自体が「長編推理小説」でなく、「小説」と称されているのはそこら辺と関係があるのか。
物語全体がウンベルト・エーコの『薔薇の名前』に強い影響を受けているように感じる。修道院の中で次々と起こる連続殺人というところだけでなく、物語の背景に失われてしまったいにしえの文献、というモチーフが両者に共通だというとことも指摘しておきたい。
これまでの作品同様、この作品を書くにあたって作者の調査、読書に費やした時間は膨大なものだろう。その点については恐れ入る、と言わざるを得ない。が、これまで僕が書いてきたように、物語の舞台を昭和28年とする必然性が今ひとつ強く感じられない。あるいは舞台を28年としてしまったことで、昭和38年生まれの作者はいくつかの難点を抱えて、有り体に言ってしまえばボロを出している。前から指摘してきたように、語彙や語り口が現代的すぎるし、昭和28年の日本では知られていないような科学理論が登場人物によって口にされる。
この作品で僕が一番気になったのは、「LSD」の名を登場人物が挙げることだ。LSDが化学的に初めて生成されたのは1967年(昭和42年)なのだから。
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京極堂シリーズの中で、特にお気に入りの一冊。ストーリーのテーマになっている「禅」の世界が、まるで墨絵の世界酔うな描写とあいまって、心に沁みる。
「神」である榎木津が禅僧との間に交わす禅問答(?)の場面が好き。
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言葉を必要としない禅。箱根にあって誰にも知られることなく存在する小宇宙。京極堂自ら勝つことが出来ないといった唯一の事件。
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京極作品はどれも甲乙つけがたいけど、この本はmanaのランキングでは上位に入るほど。坊主の死体が木の中にあったり、庭で座禅してたり・・・それだけで、もうツボにあたっているもの〜。その後どうしたのかな・・?と思いを巡らせてみたりもする。哀しいような、何かを期待させるような終わり方はとっても素敵だ。文句なし満点!
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知ってるようで全然知らない仏教の世界のお勉強が出来ました。これを読んだら、箱根の温泉に行きたくなっちゃいました。(笑)
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箱根に有った、有ってはいけないかもしれない謎の寺。そこで起こる僧だけが惨殺される事件。冬の無色の風景と禅が絡み合う日常でありながら非日常な雰囲気が全体に漂っています。京極堂シリーズ4作目。
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解自体は至極簡単なのに、謎解きを小出しにしているからなのか、言葉で表せないもの(禅)を扱っているからなのか、堂々の800ページ越え。京極堂という牽引役が居ないので、前半は読むのが苦痛だったけど、後半はいつもと同じ、ひっぱられるように読み進められた。礼次郎が活躍。
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京極堂シリーズ第4弾。
あまりにも分厚すぎて、読み始める時に躊躇したが、読み始めたらその不安がふっとんだ。今までの作品の中で、いちばん読みやすいような気がした。伏線のはり具合や、最後にその伏線がすべてつながる・・・と言った手法は今回は影を潜め、じわじわと終わりへ向かって行くのは今までのシリーズにはなかったので、新鮮。
終盤で、憑物落としへ向かう京極堂の描写はカッコ良すぎ。榎木津の登場も彼らしくて素敵。シリーズを重ねるごとに、常連の登場人物たちが魅力的になっているなぁと思った。
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長い。厚い。禅についての薀蓄はいつもどおりとても面白く、興味深く読めたし何しろ登場キャラがいい。キャラが立っているとはこのことか。繰り返される殺人事件の魅力的なことといったらない。特に目立った謎なんてないんだけどそれでも犯人が分からないというのは興味深いし京極堂が動かないというのも緊張感があった。さらに動機と見立ての意味についてはかなり面白い解決になってると思う。ページをめくる手がもどかしいのは久しぶり。満足。
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妖怪シリーズ第4弾。
厚みにまず思わず笑ったなぁ。嬉しさと快感で。腕は疲れますが、いつしか夢中になって、読み終わるのがもったいなく感じるはずです。