ハムレット ――シェイクスピア全集(1) みんなのレビュー
- シェイクスピア (著), 松岡和子 (訳)
- 税込価格:660円(6pt)
- 出版社:筑摩書房
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残酷劇ハムレットの新訳
2003/06/03 03:20
7人中、7人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:今野裕一 - この投稿者のレビュー一覧を見る
ドイツの代表的な演出家のペーター・シュタインは、「ハムレット」を「言葉のうえで最も美しい作品」と語っている。翻訳の「ハムレット」でしか「ハムレット」を知らないぼくにはちょっと分からない感覚だ。
「生か死かそれが問題だ」とか「尼寺へ行け」という有名な台詞は、ぼくにとっては、美しい言葉というより、古い文学として植え付けられている。シェークスピアの訳は学者の解釈によってできあがってきた。それは日本のちょっとした悲劇である。
「ハムレット」は、演劇である。恋愛とか政治劇とかそういうことでなく演劇なのだ。ハムレットがクローディアスを殺せるのに殺さないのはそういうことなのだ。事実のリアリティではなく、演劇のリアリティが優先されている。ハムレットは筋を追っていく復讐劇でも恋愛劇でもないのだ。
登場人物は、親友のホレイショーを除いて全員死ぬ。そういう悲劇の構造自体が劇なのだ。最近までそんな簡単なことが分からなかった。ペーター・シュタインとピーター・ブルックと、芝居の現場に立ちあい続けた松岡和子訳の「ハムレット」によってそれを知った。遅すぎた!
松岡和子の訳はそうした現代におけるハムレット演劇の傾向をふまえている。そこが最大の魅力だ。
今野裕一の書評はこちらです。
読みやすく「刺さる」松岡ハムレット
2022/04/22 21:12
2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:hachiroeto - この投稿者のレビュー一覧を見る
とにかく読みやすい。オリジナルのダブルミーニングも見事に日本語に置き換え、注釈でその魅力を伝えてくれる。そして、だからこそ伝わるシェイクスピア悲劇の迫力。素晴らしい。
とにかく読みやすい。
2020/06/27 11:21
2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:Ayres - この投稿者のレビュー一覧を見る
今まで読んだ「ハムレット」の中で、最も読みやすかった。
小中学生がはじめてシェイクスピアを読むなら、この本が良い。
ことばも美しく、文句なし。
朝日新聞連載から
2022/05/07 17:04
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:なぎ咲 - この投稿者のレビュー一覧を見る
ずっと読んでみたかった本。言葉一つ一つが、熟慮の上編み出されていることを朝日新聞の連載で知った。ゆっくり読みたい。
思ってたより読みやすかった
2016/01/20 20:11
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:Mr.D - この投稿者のレビュー一覧を見る
シェイクスピアの書籍を初めて読みました。古い本なので読みにくいのかと思いましたが、普通に読める内容でした。ただ、劇場の台本のような体裁なのでとっつきにくい感じはあります。
本心
2022/03/21 15:57
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ペンギン - この投稿者のレビュー一覧を見る
セリフではっきり言ってないけど、ハムレットはクローディアスに復讐したくなかったんじゃないかと思った。確かに、お父さんのことは尊敬していたし、叔父さんをよく思っていなかったし、お母さんが叔父さんと再婚したことも気に食わないけど、あんまり気が進まなかったから、自分の身に危険が迫るまで手を下すことをしなかったのかなあ、と。名誉は大事にするし、やるときはやるけど、感情でパッと行動しないところが、常に正解を求める現代人と近いかもしれない。