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背表紙のタイトルだけを見て衝動買いした1冊。短編小説のようなエッセイ集。著者の目の前で起こった出来事は、その1つ1つは日常的で些細な事であっても彼の豊富な知識や経験によって話が大きく展開していく。物事の断片を紡いで1つのストーリーを作り上げる、その巧妙な技術には感動すら覚える。高さも幅もあるお話ばかりで、どのチャプターが特に良かったと言えない。全部良い。とても読みやすいので、どなたにもオススメ☆
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エッセイはあまり読まないんだけど、これはなかなか面白かった。どの話も読み終わる頃には、知らず知らず顔が笑ってる感じ。喫煙者でない著者がわざわざこのタイトルを選んだのも納得。
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長編の拾い遺しといった雰囲気の作品もあれば、ちょっとしたエピソードをうまく膨らましているものもあります。うまく日常からエピソードを拾い上げてくるな、と唸ってしまいます。
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喫茶店でゆったり時間をかけて読んだ。街にひそむちょっとした不思議、見逃してしまいそうなささいな感情。そういったものに素敵な言葉を与えてくれる沢木さんの文章は本当に良い。沢木耕太郎がますます好きになった。
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著名なルポライターである彼でなくても
我々一般人が日々の生活を送る中で、
タイミング次第で「偶然」遭遇したり、
運良く(もしくは運悪く)拾い上げる事の出来るような出来事。
しかし、自分をはじめ他の人間ならば、
そのまま通り過ぎ、忘却の彼方へ流してしまうような出来事も、
豊かな好奇心と感受性に満ちた取材のプロである彼にとっては
何かしらの光を放つ原石のようなものなのかも。
ふらりと寄った古本屋で手にした本に書かれていた
不思議な献辞。
深夜のタクシーの中で起こったどきりとするような運転手との会話。
自分の目の前で起こったどんな些細な出来事にも
つい好奇心を刺激され、さりげなく、しかし確実に、
「そこに潜む何か」を掬い取る。
鋭い視線で対象物を観察し、それをきっかけにして、
更に果てしなく想いや考えを拡げて行く「思索の旅」に出る作者。
「チェーンスモーク」、今、吸っていたタバコが終わったかと思えば
すぐにまた新しいタバコに火をつけるように
作者は自分の身に起こった出来事を皮切りに
次から次へとそれに関係した話を、クール、かつ職人的鮮やかさで
私達読者に披露してくれるような15編のエッセイ集である。
公衆電話の話など、時代を感じさせる内容のものもあるが、
作品自体には全く古臭さを感じず、むしろそれを読んで
懐かしい思いになる位で作者の筆の巧さを実感した。
この作品が生み出されて十年以上の時が経過していても、
その魅力は色あせず、現在でも十分読者を
楽しませる力を持ち続けている。
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古本屋で買った一冊。平成八年四月が発行となっている。これは文庫本なので実際に単行本として発行されたのはもう少し前になるのだろう。ぜんぜん古さを感じさせない。心の喪失感や乾き感を体感的に表現する事が抜群に旨いなと思う。今再び話題になっているロス疑惑の人をその当時取材した事もドームでタイソン戦が行われた事も一つの関連する事柄から書いてあるが、その当時の盛上がりに左右されずに冷静にみているなと感じた。
そのタイソン戦の事が書かれているのが「老いすぎて」 最後に書かれているコラムのタイトルは「懐かしむには早すぎる」これを対比して見るのも面白いかも
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沢木耕太郎の小粋なエッセイ集。『バーボン・ストリート』同様に、15編が収録されています。それぞれのエッセイの組み立てかた(起承転結)が清清しく、どれを取っても粒ぞろいの名作。エッセイをまるで小説のように綴っています。
最後のエッセイ「懐かしむには早すぎる」。これ、僕が最も好きな沢木耕太郎の文章のひとつかもしれません。
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よくある!と共感できることとか、へー!と思える話などが詰まっていてなかなかおもしろいエッセイだった。23.May.08
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ショートドラマを見ているようなエッセイ。
タイミングがいいのか悪いのか、この本を読んでいるときに三浦和義氏の移送がニュースになった。
その後のことを思うと、対談での三浦氏の印象がとても意味深いものに思えた。
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【目次】
鳥でもなく魚でもなく
ある時,新宿のうどん屋で中島みゆきと話していて,この虚説を思い出した。
逆転,逆転,また逆転
老いすぎて
タクシー・ドライバー 東京篇
君だけが知っている
わたしに似た人
メランコリーの妙薬
走らない男
アフリカ大使館を探せ
赤や緑や青や黄や
ナセルとマリリン
信じられない
消えた言葉
シナイの国からの亡命者
懐かしむには早すぎる
あとがき
解説(高見浩)
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ほんとにうまいなあ。
エンターテイメント。
旅して思ったが、その地で見た世界を伝えるのは凄く難しい。
だって、行ったことのない世界って想像しにくいものだ。ましてや言葉だけでは。
当たり前だけど、気づかなかった。
色んな経験すれば面白いはずだ、とは思うが、文章は共感できないと読みづらくなる。
でも深夜特急はすごく自然で読みやすい。なんなんだかな。やっぱ沢木さんの文章力かな
俺は鳥型人間みたいだ
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非常に物語仕立てのエッセイで、エッセイ苦手でも楽しめる作品。古本屋で見つけた本の書き込みの謎の話が一番好き。著者の時間ギリギリ癖が伺える話には少々引いた。
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ストーリーセラー2で興味をもった沢木氏の作品。やっと読了。本当に文章が巧み。知識の泉。色々読んでみたい。
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沢木氏の初期の作品ということで、後年に見られるような円熟した書き口や表現などがまだ見られないが、瑞々しさと若さが溢れていて個人的には好き。ただ、その若さからなのか、脱線がかなり多いのでたまに混乱させられることもあり。
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沢木耕太郎のエッセイ集である。前回、沢木耕太郎を読んだのが同じエッ
セイ集で『バーボン・ストリート』だったから、それ以来久しぶりに沢木耕太
郎の文章に浸ってみた。
やはり、こういう文章力のある人が放つ言葉を読んでいると、純粋に作品
を楽しめていい。特に文章力の高いエッセイは、その場面の空気感や臨
場感、作者の世界観なんかが如実に行間に表れて、尚更おもしろく感じる
のである。
ここ最近、恋愛小説を紹介するときに「大人の恋愛」という言葉をよく使う
のだけれど、そういった言葉で表現するならば、このエッセイは、「大人の
生活」。
特別すごいことをしている日常ではないのだけれど、どことなくハイクラス
感は漂っているし、けれどもそれが嫌味に感じるような感覚ではないし、む
しろ「カッコいいな」と思わずうなってしまうような日常。無頼なところも少し
ながら顔を出したりして、紳士でありながらチョイ悪的な要素も持ち合わせ
ているようで、まさに大人の男、これこそが沢木耕太郎という人の魅力そ
のものなのだろう。軽快な語り口調で綴られる文章を読んでいると、、なん
だか講演会に参加して、ちょっと思いがけず面白い話が聞けて得した気
分、というような感じになる。
面白いのが、この『チェーン・スモーキング』というタイトル。タバコというア
イテムはもちろん、大人の男のアイテムであり、ひとつのシンボルでもある
のかもしれないが、沢木氏自身はノン・スモーカーである。こういうタイトル
になったいきさつは自分でもわからないと本人は言う。さらには、この本を
産み落とした人々(編集、装幀などに関わった人々)すべてが「ノン・スモー
カー」な人たちなのだそうだ。ノン・スモーカーたちによって作り出された、
『チェーン・スモーカー』という作品が醸し出す世界は、チェーン・スモーキン
グよろしくページをめくる手が止まらないほどの面白さである。ちなみに読
者である僕も今はもうノン・スモーカー。
チェーン・スモーキングと聞いて、真っ先に僕が連想するのは、ジェーム
ス・ディーン。
残念ながら、このエッセイ集にディーンに関することはひとつも出てこない。
当たり前だけど。