紙の本
中国の生活に密着し、我が国の文化にも多大な影響を与えた道教とその神々について紹介した稀有な一冊です!
2020/04/09 08:37
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ちこ - この投稿者のレビュー一覧を見る
本書は、道教という宗教信仰の現状とその神々について考察した非常に珍しい一冊です。道教と言えば、中国における主要な宗教の一つであり、日本の文化・信仰にも大きな影響を与えたことが知られていますが、その神々という点になると、私たちはほとんど知りません。同書は、中国において生活に非常に密着している道教への信仰状況と、道教の神々と言われ、家庭でその絵などが飾られている元始、霊宝、道徳天尊といった三神をはじめとしたその他多くの神々についても紹介してくれます。同書の構成は、「道教とは何か」と「道教の神々」という2部構成になっており、前者では、道教の現状と道教の内容と宗派について、後者では、生活と神々と神々の素性について触れられています。
投稿元:
レビューを見る
中国の地元信仰である道教の、時代による変遷や神々の由来が解説されています。関帝(関羽)は有名ですが、まさか一時期孫策まで神様のひとりに数えられていたとは驚きです。道教の神様は神様の聖誕日に祭祀を行うのがメジャーだそうで、いろんな道教神の誕生日リストも載っています。関羽、関平のバースデーがわかるとは!
投稿元:
レビューを見る
●未読
2009年7月11日(土)〜9月6日(日)
特別展 知られざるタオの世界
「道教の美術 TAOISM ART」
−道教の神々と星の信仰−
http://www.mitsui-museum.jp/exhibition_01.html
で紹介
投稿元:
レビューを見る
トップすら途中で変わるダイナミックな多神教。
女神たちは「娘娘(にゃんにゃん)」と呼ばれてる。例えば眼病から守ってくれる女神は「眼光娘娘(ガンコウニャンニャン)」。
投稿元:
レビューを見る
所有してるのは平河ハードカバー版ですが、表紙画像のある&入手しやすい方で。
今の学生さんは、この名著を安く買えて、羨ましいですわぁ……
投稿元:
レビューを見る
道教に興味があっても 初心者には難しい本が多い中、この本は道教の神々に的を絞ってくれているのでとても読みやすいです。
実際に 廟などに行ってもどういった神様なのか知っているのと知らないのとでは楽しさが違います。
また 神様にまつわるスト−リーが歴史も含めておもしろいです。
投稿元:
レビューを見る
道教とは何ぞや?
道教の内容と宗派、その神々についての本。
なんとまぁ広いこと!
元々は自然崇拝が始まりなのだろうけど、
その神々は伝説・実在の人物の他、
儒教や仏教も取り入れたり、封神演義や西遊記等の
登場人物もいたり・・・懐が深すぎる。
中国自体も広いから、
地域で違う人物が神様になっていたり、
渡ったアジア・・・シンガポールやフィリピンのも碑がある。
長い中国の歴史の中で、
国の変遷により、弾圧、または国家に寄り添い、
民衆からも心の拠り所となった道教を知るには適書です。
また、文化大革命後にいかに道教が立ち直ったかは、
なかなか興味深いものでした。
投稿元:
レビューを見る
道教の内容
・教学的 「道(タオ)」の起こりとその展開
・方術的 呪い、お札、おはらい、祈祷
・医術的 特に大切。養生術、治病術、薬剤
金丹→飲めば不老長寿 水銀等の劇薬→死ぬ人も多かった
腹式呼吸
・倫理 徳や善を積むことが長寿と結び付けられ、奨励された
投稿元:
レビューを見る
中国の宗教である道教の神々を解説した書。道教にて祀られる神々の特徴や由来・逸話を紹介するとともに、道教の概要や現地取材から見える信仰の実態も解説する。1986年に平河出版社より刊行された同名書の文庫版であり、(幾つかの写真は省かれたものの)新たに「最近の道教信仰」の項が追加されている。
本書は中国の道教信仰を概説的に紹介し、またその神々を解説するものである。内容は二部構成となっており、第一部で道教信仰の概要とその現況、第二部で個々の神々の紹介となっている。扱う神々の数は90柱以上にも上っており、元始天尊や太上老君といった主神格の神から八仙などの神仙、関聖帝君(関羽)や天上聖母(媽祖)などの人物神まで幅広く解説している。それぞれの神々の縁起や特徴を平易かつ簡潔にまとめてあり、道教のパンテオンを飾る著名な神や仙人ならこれ一冊でおおよそは把握できるだろう。
また、第一部では著者が実際に目にした1980年代の中国道教会の様子がレポートされている。文革を経て復興期にある当時の中国道教の姿を知れるという点でも貴重であるといえる。
投稿元:
レビューを見る
中国の民間信仰としてひろまった道教の解説書で、道教において信仰されている多くの神々について説明がなされています。
第一部にあたる「道教とは何か」は道教の概説です。ただし、著者自身が中国などに足をはこび、じっさいに見聞した道教の信仰の実態の報告が中心となっています。とくに著者は、かつては迷信とみなされ中国政府による弾圧をこうむっていた道教が、政策の変化によって活動が再開されることになったことを知って安堵するとともに、日本でも道教研究が隆盛を見ていることをよろこぶとともに、今後の研究への期待が語られています。
第二部にあたる「道教の神々」では、道教において信仰されている神々が紹介されています。著者は本書のほかに、道教の概説書として『道教入門』(1983年、南斗書房)や『道教史』(1977年、山川出版社)、『道教百話』(1989年、講談社学術文庫)などを刊行しているためかもしれませんが、本書では道教にかんする諸テーマをひとつずつとりあげて解説するよりも、道教の神々のパンテオンを示すことに力点が置かれているように思います。