紙の本
生物進化の原因はウイルスと、大胆不敵な仮説を提案
2003/10/12 16:51
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投稿者:萬寿生 - この投稿者のレビュー一覧を見る
大胆不敵な仮説が、提案されている。表題を見て、エイズウイルスのように、自分のDNAを変化させて進化していく、ウイルスの話かと思ったが、違っていた。異種間生物の間で、ウイルスやプラスミドが遺伝子DNAを水平移動させることによって、生物の進化はおこった、という仮説を提唱している。ウイルスは遺伝子を移動させる細胞内小器官であって、病気を発生させるのは、その機能に伴う副作用である、とまで言っているようだ。
まず、ダーウィン進化論の仮説に対する疑問を提示している。突然変異と自然淘汰による変化の積み重ねで、優れた性質を持つ個体が発生し、種がいれかわれるかどうか。化石の不連続性や、実験動物による突然変異の研究成果から、これを否定する。棲み分けと種全体での変化を基本とする、今西進化論の分子レベルにおける説明として、ウイルス感染による特定のDNAの、個体および種間の水平移動による、遺伝子情報の伝達での変化を強調する。バクテリオファージによる異種細菌間の遺伝子の移動、プラスミドをつかった遺伝子工学、の事例を仮説の根拠として、取り上げる。仮説を証明する根拠となる、研究報告は述べられていないが、説得力はある。進化論の問題点を解決できそうだということが、十分納得できる。学会では未だ異端の学説のようだが、学問を発展させてきた理論は、常に異端から始まっている。著者らには、この仮説を立証する研究成果を、発表してもらいたいものである。専門の学術誌には既に発表しているのかもしれないが。
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ウイルスが遺伝子を書き換える。そこから発生した「ウイルスが進化の鍵だ」という話。今西の本と共に読んだんだけど、内容が面白いだけに残念。こういう進化した種も、もしかしたらいなくはないのかもしれないのかも?程度の影響
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確か「利己的な遺伝子」がブームだった時に読んだ。他のは難しそーな本ばっかりでよく分からなかったけど、この本はとっつき易かったよ。
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タイトルに惹かれ、図書館から借りてきた。
割と楽しく読める本。
ただ、私は生物学の知識がないので、
ウィルス進化論が生物学界の中で
どれだけ認められているのかはよくわからない。
科学的に妥当な理論ではない、
という見方が多数を占めているようだが・・・。
しかし、
進化の原動力は競争か、それとも調和か、
という個と種の関係性を問う問題や
科学における連続概念の限界を論じた箇所は、
哲学的にとても興味深かった。
進化とはそもそも何なのか、
という問いに行きつく根源的な問題である。
だが、
連続概念の代替案として著者らが主張する、
「不連続な自然現象を対象とした新しい科学体系」(p.243)が
何を意味しているのか、いまいちはっきりしない。
連続的な因果律なくして、
どのように自然現象を分析するというのだろうか?
そもそも自然の不連続性を不連続として
「科学的」に認識することは可能なのだろうか?
それは結局、
「生物は変わるべきときがきたら変わる」(p.241)としか
言いようがなくなってしまうことを意味しないだろうか?
さらに、
本書は引用をきちんと提示していないので、
紹介されている話の信用性がかなり低い。
例えば、
ダーウィンは神の存在を証明するために進化論を構築した(p.194)
と述べているが、
内井惣七『ダーウィンの思想』では、
むしろ神という設計者を必要としない世界観の構築を目指した
と説明されている。
また、今西氏のオオシモフリエダシャクという蛾の話を
紹介している箇所も、
実際の今西氏の説明と一致していない。
これは、工業暗化で白い蛾が黒い蛾に変化した現象を
どう説明するかという話である。
今西錦司と吉本隆明の対談『ダーウィンを超えて』では、
黒い蛾は白い蛾の変種として前から存在していた(p.84)と
今西氏は述べている。
しかし本書では、
環境変化に適応するために、
白い蛾が黒い蛾に変化したと説明しているのである(p.139)。
いずれにせよ、
ウィルス進化論の話をする前に、
ダーウィン進化論とは何なのか、
そしてそれの何が問題なのかを、
別個に説明する必要があったように思う。
本書で提示された、
思想的な問題に関心のある人は、
エリオット・ソーバーの『進化論の射程』を参照するとよいだろう。
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ウイルスで進化してきたんだよ、っていう仮説をまとめた本。
最後の方は、ダーウィン進化論の支持者から笑われてムカついた、ていう話
たぶん、この仮説が陽の目を見ることはないけど、読み物としては面白かった。
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人から借りて読んだのですが、とても面白かった。ウイルス進化論とは、ウイルスやプラスミドをベクターとして起こる「遺伝子の平行移動」が進化をすすめるという考え方。ウイルスは進化のための器官であり、病原となるものは寧ろ異端である、という主張に目から鱗。ダーウィン進化論の弱点と今西進化論のことも知らなかった。
1989年の本だが、最新の学説はどうなっているんだろ。
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読書録「ウイルス進化論」4
著者 中原英臣、佐川峻
出版 早川書房
p233より引用
“ いずれにしても、生物がどのように進化
してきたかなどという大問題は、世界中の科
学者にきいても分かるはずがない。そもそも
生物進化のメカニズムは、残念ながら現代科
学ではまだまだ十分に解明されていないので
ある。”
目次から抜粋引用
“進化の主役はウイスルだ
動く遺伝子とバクテリア
ヒトと動物の共通ウイルス
破綻したダーウィニズム
ウイルス進化論の誕生”
医師と科学評論家による、生物の進化とウ
イルスの関係について記した一冊。
ウイルスと遺伝子の移動についてから他の
進化論との違いについてまで、自然界で起
こっている多くの事実を基に書かれています。
上記の引用は、生物の進化と科学会の状況
について書かれた項での一節。
今ほど科学が発達していても、分からないこ
とは分からないものなのですね。たとえその
人の専門分野であったとしても、はっきりと
わかり切ったような話し方をする人には、注
意した方がいいのかもしれませんね。
何かが分かるようになれば、次の解らないこ
とが見つかってしまうので、いつまでも解ら
ないことが増え続けて行くのかも知れません。
ウイルスによって突然生物が変化してしま
うのならば、病気というものが無くなること
は無いのでしょうか?どんな病気になっても、
大丈夫な位、自分の体を整えておくのが、一
番有効な対策のような気がします。
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大学生の頃に読んだ本で、当時は斬新だった。特に、ウイルスが生物の進化に関与しており、種と種の間を遺伝子が平行移動するとの考え方は、印象的だった。現在では、生物の進化にウイルスが関与しているとの考え方も主流になってきています。