紙の本
「三つ目が通る」の写楽と和都さんの関係
2002/01/09 03:28
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投稿者:かけだし読書レビュアー - この投稿者のレビュー一覧を見る
神と人間が共存する古代の日本の物語。光と闇の戦いの中で未来を切り開こうと奮闘する水の乙女「狭也」と風の若子「稚羽矢」の運命の恋を描いた勾玉シリーズ第1作。
一応児童文学ですけれど大人も楽しめるファンタジー。どちらかといえば女の子が好きそうな物語。主人公の水の乙女「狭也」と凄い力を秘めているのに普段は天然ぼけの風の若子「稚羽矢」の関係はどことなく手塚治虫さんの作品「三つ目が通る」の和都さんと写楽の関係に似ています。普段は天然ボケの写楽だけど、額のバンソーコを取ると第3の目が現れ世界を破壊する力を発揮する。そしてそのおもりやくを任されているのが面倒見が良く男の子っぽい和都千代子。漫画のバスタードもそうだったけど、かなりオイシイ設定。
美形の神様などが登場するなど、その手の作品が好きな人は間違いなくハマルと思います。ただ個人的にはもう少し人物に深みが欲しかったかな。
紙の本
世界設定が面白い。
2001/10/15 06:43
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投稿者:takumi_y - この投稿者のレビュー一覧を見る
どこが児童書なのかしら?という、古事記をベースにしたファンタジー。「空色勾玉」(古事記)、「白鳥異伝」(日本書紀)、「薄紅天女」(奈良)という勾玉3部作のその1。勿論一作ずつ完結してるのでそれぞれで読めます。
地上に天上の世界をもたらそうとする高光輝の男神(イザナギ)の子供たちである照日王(てるひのおおきみ)と月代王(つきしろのおおきみ)の双子の姉弟率いる勢力と、大地の流転を尊び闇御津波の女神(イザナミ)を信奉する人々の戦い。
不死の肉体を持つ輝(かぐ)の者を倒すことができるのは「大蛇の剣」とそれを扱うことのできる水の巫女だけ。幼いときに両親を殺され、戦火の中拾われた狭也(さや)は闇の者ながら月代王の釆女として招かれる。
そして封印してある大蛇の剣を盗み出そうと入り込んできた闇の者、鳥彦を助けるために忍び込んだ神殿の中で、「風の若子」稚羽矢(ちはや)に出会う……。
とまあ文章は時代を意識してかちょっと難解な感じ(しかし、これくらいなら「金の海銀の大地(氷室冴子)」とあまりかわらないかな?)だけど、話的にはとてもさくさく進めます。
稚羽矢は照日王と月代王の弟ながら、大蛇の剣の使い手でもあるとても重要な人物なのだけど、幽閉状態でずっと過ごしていたので、とてつもなく世間知らず。ボケボケで非常にかわいいですね。
しかしラストの「祝言とはなんのことだろう」という科白にはちょっとくらり……苦労だな、狭也。
やはりこれは十代のうちに読んどくべき話ですね。快活で他人を励まして回り、力無いくせに行動派ですぐ落ち込むというヒロインの造形がなによりも少女小説だった。
それにしても人物の配置がヒロイン、ヒーロー、敵対者! って王道すぎて、脇キャラがあまりにも脇だよ……科戸王なんか戦陣から首飾り届けさせたり、病床に毎日端贈ったりまめまめしく気を配ってるのに、さっぱり報われないし……哀れ。
でも稚羽矢に剣を教えた伊吹王が好き。この人のちょっと抜けた感じもさすが師弟って感じで。ラストはいいとこかっさらっていったし。
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勾玉三部作の第1作目。
日本神話を土台にした古代日本のファンタジーです。3作とも一貫としてある種族を超えたボーイミーツガールは恥ずかしく感動的です。
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勾玉を使ったファンタジー第1弾です。
古代の神様が存在する時代のお話で主人公・沙也の気持ちがとても共感でき、とても楽しく読みました。
えびが高校生で読んで、今でも気に入ってるお話です。
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勾玉三部作最初の作品。
光が正義でなく、闇が悪でない古代の話。
主人公の少女狭也の自然とのふれあいが素敵です。稚羽矢の天然っぷりもいつ読んでも笑えますね。
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日本が世界に誇る児童文学作家、荻原規子の記念すべきデビュー作。
『白鳥異伝』『薄紅天女』とつづく「勾玉三部作」の第一作目でもある。
舞台は、まだ神々が人間と同じに地上をあるき、大和が「豊葦原」とよばれていた古代。
地上は高光輝(たかひかるかぐ)の大御神(おおみかみ)ひきいる光の勢力が支配し、対立する闇御津波(くらみつは)の大御神ひきいる闇の勢力は、各地にひそんで反撃の機会を狙っていた。
ふつうの村娘として育った狭也(さや)は、ある悪夢に悩まされていた。それは、拭いがたい過去の記憶であり、彼女の運命を暗示するものでもあった。
婚約者を決める祭りの夜、彼女は楽人としてやってきた闇の勢力の者たちから、みずからが闇の勢力の姫君・「水の乙女」であることを知らされる。
しかし光にあこがれる狭也は、それに反発し、高光輝の息子・月代王(つきしろのおおきみ)の侍女として召し上げられる道を選ぶ。
思いがけないほどに孤独な宮中の生活を送るなか、狭也はひとりの青年と出会う。
それは高光輝の末の息子、稚羽矢(ちはや)であった。 身の危険から、彼をつれて宮中から逃げ出した狭也は、やがて光と闇の戦いのなかへ身を投じていく。
壮大なスケールの物語でありながら、登場人物の描写が非常に丁寧。
古代文献から引き出してきたであろう多くの設定の中に、さまざまな登場人物が緻密に組み込まれている。
また、光と闇の両方の素質をもつ狭也と稚羽矢が、いかにして対立する両者の架け橋となるのか、という主題的な問題のほかに、
戦いの中にありながら逞しく生きる人々の姿や、異質者に対する集団の暴走など、
「戦い」には避けて通れない部分を、児童文学というジャンルに収まりきれない筆致でえがいている。
ひろい世代が読むに耐える作品であるとおもう。
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日本を舞台としたファンタジーものというと、多分真っ先にあげられるだろう一冊。勾玉三部作第一作。私が持ってるのと表紙が違う……と思ったら、出版社変えて再刊行されたものでした。
日本神話創世記を舞台とし、主人公たちが失敗したり傷ついたり傷つけられたりしながら、戦いの中、成長してゆく定番中の定番の物語。この作品での「不老不死」の扱いは一考に値します。
古事記や風土記、日本神話を知らなくても楽しめるけど、知っているともっと楽しめる一冊。ちなみに私は科戸王と鳥彦が好きでした(笑)。
ミュージカルにもなっています。音楽担当がザバダック……見たかった!
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高校時代にコレを原作にラジオドラマの脚本を書きました。友人と4人で。読み込むほどに愛着がわいた一冊。シリーズのほかの巻も秀逸です。
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神々がまだ地上を歩いていた古代日本を舞台としたファンタジー。『白鳥異伝』、『薄紅天女』と続く「勾玉」シリーズ3部作の第1弾。この作品がミュージカルになりZABADAKが音楽を担当したと、ZABADAKのライブで知り、読んでみました。結構、ファンは多いようで・・・ 色々とファンタジーを読んできていて、慣れてしまったのかなぁ。話がすんごく面白いってわけでもないし、デビュー作ということもあって、なんとも、読みづらい。悪くはないと思うんだけどね。 話よりやっぱZABADAKの曲を聴いてみたいです。
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ひとりは「闇」の血筋に生まれ、輝く不死の「光」にこがれた。
ひとりは「光」の宮の奥、縛められて「闇」を夢見た。
古代日本をベースとしたファンタジー。「すごい」としか言いようがない。好きな本はと聞かれたら、真っ先に勾玉三部作が浮かびます。
先が全然よめなくて、途中で本を手放す気になれなくて、一冊の本の中に読みたいものが全部詰まってた。勾玉三部作を読んで、やっと「本当に好き!」って本に出合えた気がしました。
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ちょうど昨年の今頃。図書館の児童書本棚で見つけたお話。ファンタジー小説が読みたくて、ほんとに偶然に手に取ったこの本が、カナリヤを虜にした。お話の舞台は古代日本。まだ神々が全てのモノを支配していた頃「豊葦原」をめぐって「水の乙女」と「風の若子」がおりなす冒険と成長、運命の恋のファンタジーです。お話の情景や人物の描写がとにかく魅力的。登場する女の子たちが強い(笑)!
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神々が地上を歩いていた古代の日本、「豊葦原」の光と闇がせめぎあう戦乱の世を舞台に、「水の乙女」と「風の若子」の冒険と成長、運命の恋を描く。「勾玉」3部作第1巻
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勾玉三部作再読中。三部作の中では一番印象に残ってない話だった、のですが、読み返してみたらそんなことはなく。とっても面白かったです。稚羽矢が狭也を迎えにくるくだりなんか、ラブラブだなあお前ら! とニヤニヤしながら読んでました(イヤらしい)。けっこうこのシリーズ、ラブ色濃いのですよね。そこがまたいいのですが。 (読書日:2004/9/1)
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友人から借りて、つい最近はまった本。最初からぐーっと引き込まれました。和風ファンタジーはあまり読まないのですが、これはほんとによかった。
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勾玉3部作の第1弾。古代日本を舞台にした壮大なファンタジー。異色といえばそうなのだろうが作品の完成度は高い。