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この本は二つの大きな常識だったことを
懇切丁寧に 解説して、
佐藤洋一郎の『仮説』を提案する。
その二つの常識は・・
稲の地理的な起源と系統的な起源にかかわることであった。
稲と稲の文化はどこで生まれたか?
→渡部忠世氏の『アッサム・雲南起源説』
稲の祖先はどんな植物だったか?
→岡彦一氏の アジアの稲は共通の祖先からうまれた『一元説』
アッサム・雲南起源説に対して、長江流域起源説を提唱。
これは、遺跡からの発掘で、具体的に出たことで証明された。
約7000年前以前の遺跡が、雲南地域で見つかれば、
また逆転するが、今のところ見つかっていない。
稲の先祖はどんな植物だったのか?
ジャポニカとインディカは、共通の野生種があるという説だった。
稲作という栽培化する前の野生種がどんな稲か?
ということであるが・・
葉緑体DNAの分析によって・・・
(葉緑体DNAは、母系の遺伝子をひきつぐ)
インディカには、69対の塩基が欠失していることが、
わかった・・・ジャポニカは欠失していない。
葉緑体DNAは、15万塩基なので、わずかなのであるが。
野生種も欠失しているものが インディカ野生種、
欠失していないものが ジャポニカ野生種に分けられる。
ジャポニカのほうが、早く存在していたと考えられる。
インディカとジャポニカは、別々の野生種からできた。
ジャポニカの野生種は 長江流域が、起源。
インディカの野生種は 熱帯のどこからしい。(場所未定)
熱帯ジャポニカについては,まだわからない。
このことから・・・・
長江流域から・・・雲南へ伝播。
従来の雲南起源説は、否定される。
長江流域から・・・朝鮮および日本へ伝播したと考える。
この展開は、ドラマティックですねぇ。